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ホーム/プライシング/価格調査手法の種類と選び方|PSM・Gabor・コンジョイント比較
価格調査手法の種類と選び方|PSM・Gabor・コンジョイント比較

価格調査手法の種類と選び方|PSM・Gabor・コンジョイント比較

18分で読める|2026/01/30|
プライシングリサーチ

AIサマリー

適切な価格を見つけるための3大調査手法を徹底比較。PSM分析・Gaborグレンジャー法・コンジョイント分析の特徴と選び方を解説します。

価格を決めるとき、感覚ではなくデータで判断したい。しかし、どの調査手法を選べばいいのか分からない。そんな悩みを解決するのがこの記事です。

本記事の表記について

  • 下線付きの用語にカーソルを合わせると解説が表示されます

この記事でわかること

  1. 3大価格調査手法の比較: PSM・Gabor・コンジョイントの違い
  2. 手法選択の判断基準: 目的別・リソース別の選び方
  3. 実施時の注意点: 各手法の長所・短所と補完関係

基本情報

項目内容
トピック価格調査手法
カテゴリ価格戦略・プライシング
難易度初級
対象事業企画・PM・マーケター・営業企画
シリーズ全8回の第3回

3大価格調査手法の概要

価格調査には主に3つの手法があります。それぞれ測定対象と得られる情報が異なります。

3大価格調査手法の比較3大価格調査手法の比較

Van Westendorp法(PSM分析)

測定対象: 価格の許容範囲

特徴:

  • 4つの質問で価格感度を測定
  • 最適価格帯(OPP、IPP)を導出
  • 実施が簡単で低コスト

得られる情報:

  • 高すぎて買えない価格
  • 安すぎて不安な価格
  • 許容可能な価格帯

詳細: PSM分析(Van Westendorp法)とは?4つの質問で最適価格を導く


Gaborグレンジャー法

測定対象: 需要の価格弾力性

特徴:

  • 順応的に価格を提示
  • 購買意向を段階的に測定
  • 需要曲線と収益曲線を作成

得られる情報:

  • 各価格での購買意向率
  • 収益最大化価格
  • 価格変更のシミュレーション

詳細: Gabor-Granger法とは?収益最大化価格を見つける6ステップ調査手法


コンジョイント分析

測定対象: 属性ごとの支払意思額

特徴:

  • 複数属性を同時評価
  • 機能と価格のトレードオフを測定
  • 市場シェアシミュレーション

得られる情報:

  • 各機能の相対的重要度
  • 機能ごとの支払意思額
  • 競合製品との優劣

詳細: コンジョイント分析とは:機能と価格のトレードオフを数値化する手法


手法選択の判断基準

どの手法を選ぶべきかは、目的とリソースによって決まります。

手法選択フロー手法選択フロー

目的別の選び方

知りたいこと推奨手法理由
新製品の適正価格帯PSM分析簡単で価格範囲が明確に分かる
価格変更の影響予測Gabor-Granger法需要曲線で収益変化をシミュレート
機能の価値を個別に測定コンジョイント属性ごとのWTPを算出
既存製品の値上げ判断Gabor-Granger法現価格からの移行を予測
複数プランの価格体系設計コンジョイント機能の組み合わせと価格を最適化
競合との価格ポジショニング確認PSM分析市場全体の価格感覚を把握

リソース別の選び方

リソース推奨手法理由
時間が少ないPSM分析質問4つ、集計も簡単
予算が少ないPSM分析最小限のサンプル数で実施可能
統計知識なしPSM分析Excelで分析可能
中規模Gabor-Granger法専門ツール不要、分析は中程度
十分なリソースコンジョイントツール・専門知識が必要だが高精度
大規模調査複数手法の併用PSM + Gaborで相互検証
手法の複雑度階層手法の複雑度階層

各手法の長所・短所比較

PSM分析

長所:

  • 実施が簡単
  • 少サンプル(100-200名)で実施可能
  • 質問が直感的で回答しやすい
  • 価格範囲が明確に分かる

短所:

  • 需要量を予測できない
  • 実際の購買行動と乖離しやすい
  • 競合情報が反映されない
  • 新カテゴリには不向き

適用場面:

  • 新製品の初期価格設定
  • 市場全体の価格感覚把握
  • 簡易的な価格検証

Gaborグレンジャー法

長所:

  • 需要曲線を作成できる
  • 収益最大化価格が明確
  • 価格変更の影響を予測可能
  • PSM分析より実購買に近い

短所:

  • 順応的質問で回答に偏りが生じる可能性
  • 複数属性の影響を測定できない
  • 競合との比較が含まれない
  • サンプル数が多く必要(300名以上推奨)

適用場面:

  • 既存製品の値上げ・値下げ判断
  • 収益最適化
  • 価格弾力性の測定

コンジョイント分析

長所:

  • 機能ごとのWTPを測定可能
  • 競合を含めた市場シミュレーション
  • 複数属性を同時評価
  • 最も実購買に近い結果

短所:

  • 実施・分析に専門知識が必要
  • 調査設計が複雑
  • サンプル数が多く必要(500名以上推奨)
  • 回答者の負荷が大きい

適用場面:

  • SaaSの機能別価格設計
  • 複数プラン体系の最適化
  • 新機能の価格インパクト評価

手法の併用パターン

実務では、複数手法を組み合わせることで精度を高めます。

パターン1: PSM → Gabor

流れ:

  1. PSM分析で大まかな価格帯を把握
  2. その範囲内でGabor-Granger法を実施
  3. 最適価格を精緻化

メリット: 効率的に価格範囲を絞り込める

事例: 新製品の価格設定で、まずPSMで¥5,000-¥8,000の範囲を特定し、その後Gaborで¥6,500が最適と判明。


パターン2: コンジョイント + Gabor

流れ:

  1. コンジョイントで機能の価値を測定
  2. Gaborで総合的な需要曲線を作成
  3. 機能構成と価格を同時最適化

メリット: 機能と価格の両面から最適解を導出

事例: SaaS製品で、コンジョイントで「AI機能」の追加価値が¥3,000と判明。Gaborで基本プラン¥9,800 + AI ¥2,980が最適と判定。


パターン3: 全手法併用

流れ:

  1. PSMで市場全体の価格感覚を把握
  2. コンジョイントで機能価値を測定
  3. Gaborで最終的な需要予測

メリット: 多角的検証で確信度が高まる

使用場面: 大規模投資を伴う新製品・サービス


実施時の共通注意点

調査設計

サンプル数:

  • PSM分析: 100-200名
  • Gabor-Granger法: 300名以上
  • コンジョイント分析: 500名以上

セグメント化: 顧客属性(企業規模、業種、利用目的)ごとに分析することで、セグメント別価格設定が可能になります。


バイアス対策

アンカリング効果: 最初に提示する価格が後の回答に影響します。

  • Gaborでは初期価格をランダム化
  • PSMでは質問順序を工夫

詳細: 直接質問 vs 間接質問|価格調査で本音を引き出す4つの手法


回答品質の確保

製品理解: 回答者が製品を正しく理解していないと、価格感覚も不正確になります。

  • 詳細な製品説明を提示
  • 必要に応じて動画・画像を使用
  • 理解度確認の質問を含める

よくある質問(FAQ)

Q1. どの手法が最も正確ですか?

目的によります。

  • 価格帯把握: PSM分析
  • 需要予測: Gabor-Granger法
  • 属性価値測定: コンジョイント分析

「正確さ」の定義が異なるため、目的に応じて選択してください。


Q2. 予算が限られている場合は?

PSM分析を推奨します。

  • サンプル数100-200名で実施可能
  • Excelで分析できる
  • 専門ツール不要

まずPSMで価格範囲を把握し、予算が追加で確保できればGaborで精緻化する流れが効率的です。


Q3. B2B製品でも使えますか?

すべての手法で使用可能です。

注意点:

  • 意思決定者を対象にする
  • 購買プロセスを考慮する
  • EVC分析と併用すると効果的

詳細: EVC分析とは?顧客価値から価格設定する実践ガイド


Q4. 既存製品の値上げに最適な手法は?

Gabor-Granger法を推奨します。

理由:

  • 現価格を起点に段階的に提示できる
  • 需要減少をシミュレート可能
  • 収益最大化価格が明確

値上げ後の需要変化を予測し、収益への影響を事前評価できます。


Q5. 無料サービスの有料化にはどの手法が適していますか?

コンジョイント分析を推奨します。

理由:

  • 無料時代の経験から、どの機能に価値を感じているか測定
  • 機能の優先順位が明確になる
  • 有料化後の機能構成を最適化できる

無料プランを残す場合、どの機能を有料化すべきかの判断材料になります。


Q6. サンプル数が確保できない場合は?

PSM分析を50-100名で実施するのが現実的です。

代替案:

  • 定性インタビュー(10-20名)で価格感覚を把握
  • 競合価格のベンチマーク
  • EVC分析で理論価格を算出

量的調査が難しい場合、質的調査と理論的アプローチを組み合わせます。


Q7. 手法によって結果が異なる場合はどうすべきですか?

それぞれの結果が示す意味を理解することが重要です。

例:

  • PSMで¥8,000-¥12,000が許容範囲
  • Gaborで¥9,500が収益最大化価格
  • コンジョイントで主要機能の価値が¥7,000

これらは矛盾ではなく、異なる視点からの情報です。

判断基準:

  • 市場浸透を優先 → PSMの下限寄り
  • 収益最大化を優先 → Gaborの最適価格
  • 機能価値の説明力 → コンジョイントを重視

Q8. 調査結果を社内でどう説明すればいいですか?

視覚化が効果的です。

PSM分析:

  • 4つの累積曲線のグラフ
  • 最適価格帯をハイライト

Gabor-Granger法:

  • 需要曲線と収益曲線のグラフ
  • 収益最大化ポイントを明示

コンジョイント分析:

  • 属性ごとの重要度の棒グラフ
  • 市場シェアシミュレーション

経営層には「なぜこの価格か」を数値で説明できることが重要です。


まとめ

主要ポイント

  1. 目的で選ぶ: 価格帯把握ならPSM、需要予測ならGabor、属性価値ならコンジョイント
  2. リソースで選ぶ: 予算・時間が限られていればPSM、十分あればコンジョイント
  3. 併用で精度向上: 複数手法を組み合わせることで、より確信度の高い価格設定が可能

次のステップ

  • 各手法の詳細記事で実施方法を学ぶ
  • 自社製品に最適な手法を選定する
  • 小規模テストで手法の有効性を確認する

シリーズ記事

📚

バリューベースプライシングシリーズ

  • 第1回:バリューベースプライシングとは?顧客価値で価格を決める3ステップ
  • 第2回:WTP(支払意思額)とは?測定方法と価格設定への活用法
  • 第3回:価格調査手法の種類と選び方(本記事)
  • 第4回:EVC分析とは?顧客価値から価格設定する実践ガイド

関連記事

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価格調査手法カテゴリ

  • PSM分析(Van Westendorp法)とは?4つの質問で最適価格を導く
  • Gabor-Granger法とは?収益最大化価格を見つける6ステップ調査手法
  • コンジョイント分析とは:機能と価格のトレードオフを数値化する手法
  • 直接質問 vs 間接質問|価格調査で本音を引き出す4つの手法

参考リソース

  • Van Westendorp, P. H. (1976). "NSS-Price Sensitivity Meter (PSM) – A new approach to study consumer perception of price". Proceedings of the ESOMAR Congress.
  • Gabor, A., & Granger, C. W. J. (1966). "Price as an indicator of quality". Economica, 33(129), 43-70.
  • Green, P. E., & Srinivasan, V. (1978). "Conjoint analysis in consumer research: Issues and outlook". Journal of Consumer Research, 5(2), 103-123.

本記事はネクサフローのプライシング研究シリーズの一部です。

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目次

  • この記事でわかること
  • 基本情報
  • 3大価格調査手法の概要
  • Van Westendorp法(PSM分析)
  • Gaborグレンジャー法
  • コンジョイント分析
  • 手法選択の判断基準
  • 目的別の選び方
  • リソース別の選び方
  • 各手法の長所・短所比較
  • PSM分析
  • Gaborグレンジャー法
  • コンジョイント分析
  • 手法の併用パターン
  • パターン1: PSM → Gabor
  • パターン2: コンジョイント + Gabor
  • パターン3: 全手法併用
  • 実施時の共通注意点
  • 調査設計
  • バイアス対策
  • 回答品質の確保
  • よくある質問(FAQ)
  • Q1. どの手法が最も正確ですか?
  • Q2. 予算が限られている場合は?
  • Q3. B2B製品でも使えますか?
  • Q4. 既存製品の値上げに最適な手法は?
  • Q5. 無料サービスの有料化にはどの手法が適していますか?
  • Q6. サンプル数が確保できない場合は?
  • Q7. 手法によって結果が異なる場合はどうすべきですか?
  • Q8. 調査結果を社内でどう説明すればいいですか?
  • まとめ
  • 主要ポイント
  • 次のステップ
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