TL;DR
Claude Cowork Dispatch は、スマホから起動中の Claude Desktop に仕事を渡す機能です。スマホ単体でCoworkが動くわけではありません。2026年5月18日時点の公式情報では、Dispatchは Pro / Max 向けで、最新版の Claude Desktop、Claudeモバイルアプリ、起動中のPC、両端末のネット接続が必要です。
Dispatchは、ClaudeモバイルアプリとClaude Desktopをつなぐ継続スレッドです。
スマホから依頼すると、Claudeは内容に応じて、デスクトップ側でCoworkまたはClaude Codeのセッションを起動します。文書整理、表作成、メール要約のような知識労働はCoworkに寄り、バグ修正、テスト実行、PR作成のような開発作業はClaude Codeに振り分けられます。
重要なのは、仕事が実行される場所です。Dispatchはスマホの中で処理を完結させる機能ではありません。ClaudeはPC上で、許可済みのファイル、コネクタ、プラグイン、必要に応じてComputer useを使って作業します。
このため、Dispatchを理解する近道は「スマホでClaudeに相談する機能」ではなく、スマホをPC上のClaudeへの依頼窓口にする機能と捉えることです。
Cowork全体の位置づけはClaude Cowork完全ガイドで整理しています。
公式Help CenterとClaude Code docsを確認すると、Dispatchは次のように整理できます。
| 観点 | 現在の理解 |
|---|---|
| 対象プラン | DispatchはPro / Max向け。Team / EnterpriseのCowork提供範囲とは分けて確認する |
| 実行場所 | Claude Desktopが動いている自分のPC |
| 対応OS | Claude DesktopはmacOS / Windows x64が前提 |
| 操作元 | Claudeモバイルアプリ、またはDesktop側のCoworkタブ |
| セッション | 1つの継続スレッド。複数Dispatchスレッドの管理はできない |
| タスクの振り分け | 知識労働はCowork、開発作業はClaude Codeに回ることがある |
| 通知 | 完了時や承認が必要なときにスマホへ通知される |
| Computer use | Pro / Max向けの研究プレビュー。許可したアプリを実際に操作する |
2026年3月17日のリリースノートでは、DispatchはPro / Max向けの研究プレビューとして案内されました。3月23日の公式ブログでは、Computer useが加わり、DispatchからPC上のアプリ操作まで頼める範囲が広がったことが説明されています。
一方で、4月9日のリリースノートではCowork本体がmacOS / Windowsで一般提供になっています。ここを混同しないことが大事です。Cowork本体の提供範囲と、DispatchやComputer useの提供範囲は同じではありません。
Dispatchを試す前に、次を確認します。
| 項目 | 確認すること |
|---|---|
| プラン | ProまたはMaxであること |
| PC側 | 最新版のClaude Desktopを入れ、アプリを開いておくこと |
| PC状態 | スリープしていないこと |
| スマホ側 | 最新版のClaudeモバイルアプリを入れていること |
| ネット接続 | PCとスマホの両方がオンラインであること |
| 権限 | Claudeに見せるフォルダ、コネクタ、プラグイン、アプリを把握していること |
Dispatchが動かない場合、まず疑うべきは機能の不具合ではなく、PC側の状態です。Claude Desktopが閉じている、PCがスリープしている、スマホだけ最新版になっている、というパターンが起きやすいです。
公式Help Centerの手順に沿うと、初回設定は次の流れです。
最初の依頼は小さくします。たとえば「指定フォルダ内のPDFを読み、ファイル名、要点、確認すべき論点を表にしてください」のように、読む範囲と出力形式を明確にしたタスクが向いています。
Dispatchの強みは、スマホでは開けないPC上の作業環境に、外出先から依頼を出せることです。
| シーン | 依頼例 | 注意点 |
|---|---|---|
| 会議前の資料整理 | ReportsフォルダのPDFを要約し、重要数字と未確認論点を表にする | 機密資料を含む広いフォルダを渡さない |
| 商談直後の下書き | 許可済みCRMとメモから、次回確認事項を整理する | 送信や更新は自動実行させない |
| 移動中の資料構成 | 参考資料から10枚構成のスライド案を作る | 完成版ではなく構成案に留める |
| 領収書整理 | スキャン済み画像から日付、店名、金額、カテゴリ候補をCSV化する | OCR結果は人が確認する |
| 開発タスク | open a Claude Code session and fix the login bug のように依頼する | コード変更、テスト、PRは差分確認を前提にする |
SNS上の利用者反応を見ると、便利だと感じられているのは「外出先からPCの作業を進める」「スマホからClaude Code/Coworkに仕事を投げる」部分です。一方で、セットアップやペアリング、使用量の重さ、Codex Remoteなど他の遠隔操作機能との比較も話題になっています。
この反応から見ると、Dispatchの記事で強調すべきなのは「すごい遠隔自動化」ではありません。何をPC側で許可しているかを把握したうえで、下書き・整理・確認しやすい成果物から始めることです。
Dispatchは、画面の前にいなくても進めやすい作業に向いています。
| 向いている作業 | 避けたい作業 | 理由 |
|---|---|---|
| 要約、分類、表作成 | 原本削除、移動、上書き保存 | ローカルファイルに実変更が起きる |
| メールやCRMの下書き | 顧客への送信、契約条件の確定 | 外部への影響が大きい |
| 調査メモ、比較表 | 出典未確認のまま公開 | 人間の確認が必要 |
| 軽い開発修正 | 本番環境の操作 | 影響範囲が読みづらい |
| スケジュールされた情報整理 | 機密アプリの自動操作 | Computer useは実デスクトップを触る |
基本線は「読ませる、整理させる、下書きにする」です。更新、削除、送信、購入、外部共有は、少なくとも初期運用では人間の承認を挟むべきです。
Computer useを有効にすると、Claudeは画面を見て、クリックし、入力し、アプリを開けるようになります。これは便利ですが、通常のCoworkのファイル操作やコネクタ利用とは安全境界が違います。
公式情報では、Computer useはPro / Max向けの研究プレビューです。Claude DesktopのSettings > Generalから有効化し、アプリごとに許可します。macOSではAccessibilityとScreen Recordingの権限も関係します。
注意点は次の3つです。
| 注意点 | 実務上の見方 |
|---|---|
| 画面上の情報をClaudeが見る | 機密資料、個人情報、社内ツールを開いたままにしない |
| アプリ操作は仮想環境の外で起きる | ブラウザ、表計算、IDEなどを実際に操作する前提で扱う |
| 複雑なGUI作業は失敗しやすい | 直接連携やコネクタで済む作業を優先する |
特に、金融、医療、契約、個人情報を扱うアプリでは安易に使わない方がよいです。どうしても使う場合は、専用の作業フォルダ、テスト用アカウント、バックアップ、アプリのブロックリストを用意します。
DispatchとClaude Code Remote Controlは、どちらも「離れた場所からClaudeに仕事をさせる」機能ですが、入口と実行単位が違います。
| 項目 | Dispatch | Claude Code Remote Control |
|---|---|---|
| 入口 | ClaudeモバイルアプリのDispatchスレッド | Claude CodeのCLI / VS Code / claude.ai/code |
| 実行場所 | Claude Desktop上のCoworkまたはCodeセッション | ローカルのClaude Codeセッション |
| 目的 | スマホから仕事を投げ、適切な作業面に振り分ける | すでにあるローカル開発セッションを別端末から操作する |
| セットアップ | モバイルアプリとDesktopをペアリング | claude remote-control や /remote-control を使う |
| 対象プラン | Pro / Max | Pro / Max / Team / Enterprise。Team / Enterpriseは管理者設定が関係する |
開発作業だけを見るならRemote Controlの方が直接的です。移動中に「メール、資料、ファイル、開発タスクをまとめてClaudeへ投げたい」ならDispatchが自然です。
Claude Code Desktop docsでは、Dispatchから起動されたCodeセッションはCodeタブのサイドバーにDispatchバッジ付きで表示されます。また、Dispatch由来のCodeセッションでComputer useを使う場合、アプリ承認は30分で再確認されると説明されています。
まずプランとアプリの更新状態を確認します。DispatchはPro / Max向けです。Cowork本体が使えることと、Dispatchが表示されることは同じではありません。
PCがスリープしているか、Claude Desktopが閉じている可能性があります。DispatchはPC上で仕事を進めるため、スマホだけがオンラインでも動きません。
承認待ち、アプリ権限待ち、ネットワーク不安定、処理が重すぎる、のどれかを確認します。最初から大きな仕事を投げず、フォルダや出力を絞ると失敗が減ります。
指示文が曖昧なことが多いです。最低限、「対象フォルダ」「使ってよい情報源」「出力形式」「保存先」「勝手に実行してよい範囲」「承認が必要な操作」を書きます。
Redditでは、DispatchやCoworkが通常のチャットやCLIより重く感じるという声もあります。複数ファイル、長い調査、Computer useを含む作業は使用量が増えやすいので、最初は小さいタスクで試すのが現実的です。
外出先から送るなら、短くても条件を落とさない指示にします。
PC上の Documents/reports/ フォルダだけを対象にしてください。
PDFを読み、ファイル名、要点、重要数字、確認すべき論点をMarkdown表でまとめてください。
ファイルの移動、削除、上書き保存、外部送信はしないでください。
追加の権限やアプリ操作が必要な場合は、実行前に確認してください。
開発タスクなら、次のように切り分けます。
Claude Codeセッションを開き、login画面のバリデーション不具合を調査してください。
まず原因候補と変更予定ファイルを示し、承認後に修正してください。
修正後は該当テストだけ実行し、差分と結果を要約してください。
PR作成はまだしないでください。
Dispatchは「スマホ版Cowork」ではなく、スマホから起動中のClaude Desktopへ仕事を渡す継続スレッドです。知識労働はCowork、開発作業はClaude Codeに振り分けられ、完了時や承認が必要なときはスマホに通知されます。
導入するなら、最初は低リスクなフォルダ、下書き中心のタスク、明確な承認境界から始めるのが安全です。Computer useを使う場合は、便利さよりも先に「Claudeに見えているアプリと情報」を確認してください。
本記事は2026年5月18日に、公式Help Center、Claude公式ブログ、Claude Code docs、X/Reddit上の利用者反応を確認して更新しています。
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