この記事の要約
Claude CoworkのDispatch機能は、スマホとデスクトップで1つの継続会話を共有し、PC上のClaudeにタスクを依頼するためのモバイル導線。要件、安全性、使いどころを整理します。
TL;DR — 30秒でわかる結論
Claude Cowork Dispatch は、スマホとデスクトップで 1 つの継続会話を共有しながら、PC 上の Claude にタスクを依頼する機能だ。repo 内の Anthropic 公式 snapshot では Pro / Max、最新版の Claude Desktop(macOS / Windows x64)、Claude mobile app、PC が awake かつ Claude Desktop が open、両端末のネット接続が要件として案内されている。完了時や承認が必要なときは、スマホ側に push notification が届く。
Dispatch は、Claude Desktop で動く Cowork に、スマホの Claude モバイルアプリから指示を送れる機能だ。重要なのは「スマホ専用の別セッション」ではなく、スマホとデスクトップが同じ永続スレッドを共有する点にある。
通常のCoworkはPCの前に座って操作する。Dispatchが加わることで、外出先のスマホからテキストで指示を送り、PC上のClaudeが作業を進め、結果を同じ会話で受け取るというワークフローが可能になる。
公式ヘルプの説明どおり、Dispatch では Claude が必要な作業に応じて Cowork や Claude Code のセッションを起動し、結果は元の会話スレッドに返してくれる。途中経過を逐一追うより、完成した成果物や承認依頼をスマホで受け取る使い方が基本だ。
Coworkの基本機能や料金プランの詳細はClaude Cowork完全ガイドを参照してほしい。
Dispatch の内部通信の細部までは公開されていない。ここでは、公式ヘルプで確認できる範囲に絞って整理する。
| 観点 | 公式ヘルプで確認できる範囲 |
|---|---|
| 会話 | スマホとデスクトップは 1 つの persistent thread を共有する |
| 実行場所 | Claude は desktop 側で仕事を進める |
| セッション分岐 | 開発タスクは Claude Code、知識労働系タスクは Cowork に振り分けられる |
| 通知 | 完了時や go-ahead が必要なときはスマホに push notification が届く |
| 前提条件 | PC は awake、Claude Desktop は open、PC / スマホの両方でネット接続が必要 |
| 利用できる資源 | desktop 側で許可済みの local files / connectors / plugins / apps に到達しうる |
この理解で十分なのは、Dispatch を「スマホから desktop 上の Claude に同じ会話で仕事を預ける機能」と捉えられるからだ。成果物の保存や実作業は desktop 側で進む一方、Claude が読む内容や外部サービス連携の扱いはタスク次第で変わる。したがって、「すべてが完全にローカルだけで閉じる」とは前提にしないほうが安全だ。
Dispatch 自体は「スマホから同じ会話にアクセスする仕組み」であり、Cowork の基本的な実行境界は変わらない。shell / code execution は仮想マシン内で動くが、Claude は許可されたローカルファイルに対して実際の読み書きを行いうる。一方で、タスクが computer use を使ってデスクトップアプリやブラウザを操作する場合、その部分は Cowork の仮想マシン外で実行される。つまり Dispatch の安全性を考えるときは、VM 内の処理、許可済み local files への変更、computer use で実際の desktop を触る処理 を分けて理解する必要がある。
Dispatchでは1つの永続的な会話スレッドをスマホとデスクトップで共有する。スマホから送る指示は同一スレッドに蓄積されるため、文脈が途切れにくい。「さっきのファイルの続き」「先ほどのデータを使って」といった継続指示を出しやすい。
初回セットアップの手順を解説する。
| 項目 | 要件 |
|---|---|
| PCアプリ | Claude Desktop 最新版(macOS / Windows x64) |
| スマホアプリ | Claude mobile app 最新版(iOS / Android) |
| プラン | Pro / Max |
| ネットワーク | PC・スマホともにインターネット接続が必要 |
| PC状態 | PC が awake、Claude Desktop アプリが open |
最初に確認すべき2点
Dispatch の成否を左右するのは、PC が awake のままか と Claude Desktop が開いたままか の 2 点だ。外出前にこの条件を満たしているか確認すると失敗が減る。
Dispatchの使いどころは「PCにあるファイルや、PC側で許可済みの連携を使うタスクを、外出先で着手させる」ことにある。ここでは、公式ヘルプで案内されている local files / connectors / plugins / computer use の到達範囲を前提に、低リスクから試しやすいシナリオを整理する。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 状況 | 会議前に確認したいPDFが、PCの作業フォルダにまとまっている |
| Dispatch指示文 | 「Documents/reports/ フォルダのPDFを読み、各ファイルの要点・重要数字・確認すべき論点を表にまとめてください」 |
| 確認ポイント | 出力先、引用元ファイル名、要約の粒度を指定する。機密資料や未確認ソースを含むフォルダは避ける |
ポイント: Cowork は許可されたローカルファイルを手動アップロードなしで扱える。ただし、Claude が内容を読む以上、信頼できる作業フォルダに絞るのが前提だ。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 状況 | 商談後、PC側で許可済みの connector を使って次回アクションを整理したい |
| Dispatch指示文 | 「許可済みのCRM情報をもとに、株式会社ABCの接触履歴と次回確認事項を下書きしてください。根拠にした項目も併記してください」 |
| 確認ポイント | connector の権限、保存先、顧客情報の取り扱いを事前に確認する |
ポイント: Dispatch は desktop 側で許可済みの connectors / plugins に到達しうる。顧客情報を扱う場合は、社内ポリシーと connector 権限を先に棚卸しする。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 状況 | PCの作業フォルダに参考資料があり、外出先で構成案だけ先に作りたい |
| Dispatch指示文 | 「Desktop/presentation/ フォルダの資料を読み、10枚構成のアウトラインをMarkdownで作ってください。各スライドに使う根拠ファイルも示してください」 |
| 確認ポイント | 完成スライドではなく、人が確認して仕上げるためのアウトラインとして依頼する |
ポイント: いきなり最終成果物を任せるより、構成、論点、根拠整理を依頼する方がレビューしやすい。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 状況 | PCのスキャンフォルダにレシート画像があり、後で確認しやすい一覧にしたい |
| Dispatch指示文 | 「Documents/receipts/ フォルダの画像から日付・店名・金額・カテゴリ候補をCSVにまとめてください。不明な項目は空欄にしてください」 |
| 確認ポイント | OCR結果は必ず人間が確認する。会計システムへの登録や送信までは自動化しない |
ポイント: 画像ファイルの読み取りは誤認識が起きうる。CSV の下書きまでに留め、人間の確認ステップを残す。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 状況 | calendar / mail / chat 系の connector をPC側で許可済みで、今日の優先事項をざっくり把握したい |
| Dispatch指示文 | 「今日の予定と未対応メッセージを確認し、今日中に判断が必要なもの、返信が必要なもの、後でよいものに分けて下書きしてください」 |
| 確認ポイント | 返信や送信は自動実行させず、まず読む・分類するところまでにする |
ポイント: 複数の connector を横断するタスクは便利だが、送信や更新を伴う操作は承認境界を明確にしてから依頼する。
Dispatch を「遠隔で何でも自動実行する機能」と捉えると危ない。公式ヘルプの安全性説明に沿うなら、まずは確認しやすい下書き・整理・分類に寄せるのが現実的だ。
| 向いている作業 | 避けたい作業 | 理由 |
|---|---|---|
| ファイルの要点整理 | 原本削除、移動、上書き保存を伴う作業 | local files に実変更が起きうる |
| CRMやメールの下書き | 顧客への送信、契約条件の確定、外部共有 | connector 経由の操作は業務影響が大きい |
| プレゼンやレポートの構成案 | 最終版の自動提出 | 人間のレビューと出典確認が必要 |
| レシートやメモの分類 | 会計システムへの確定登録 | OCRや分類の誤りが残りうる |
| 今日の優先タスク整理 | 機密アプリや browser を computer use で操作させる作業 | computer use は Cowork sandbox 外で実 desktop を触る |
まずは「読んで、整理して、下書きにする」タスクから始め、更新・送信・削除・外部共有は承認を挟む。これが Dispatch を長く使うための基本線になる。
Dispatch の公式ヘルプには、利用前に押さえるべき制限が明記されている。特に desktop の状態、single thread、computer use の実行境界は運用上の影響が大きい。
| 制限事項 | 詳細 | 対処法 |
|---|---|---|
| desktop が active である必要 | PC が asleep だったり Claude Desktop が closed だったりすると動かない | 外出前に awake / open を確認する |
| Pro / Max 要件 | 公式ヘルプでは Pro / Max plan が要件として案内されている | 組織プランは管理者設定と Help Center を確認する |
| 単一の continuous thread | 基本は 1 つの continuous thread で進む | 指示文で区切りを明示する |
| computer use は VM 外で動く | アプリ操作や screen interaction は Cowork sandbox 外で実行される | 機密アプリでは computer use を安易に許可しない |
| PC / phone の両方で net 必須 | どちらかがオフラインだとやり取りできない | 不安定な回線や VPN 影響を切り分ける |
PCスリープ対策のヒント
OS の電源設定で、作業中に PC が sleep しない状態を作る。社用端末では、独自の device management や security policy が優先されることがあるため、無理に回避せず管理者のルールに従う。
Dispatchは遠隔操作という性質上、セキュリティを慎重に考える必要がある。
| セキュリティ項目 | 仕組み |
|---|---|
| ローカルファイル / connector 利用 | スマホから送った指示でも、Claude は desktop 側で既に許可された files / connectors / plugins を使う |
| 操作前の承認 | Claude が go-ahead を必要とする場面では、スマホ側にも push notification が届く |
| Cowork sandbox | shell / code execution は仮想マシン内で動く |
| local files | 許可されたファイルには実際の読み書きが起きうる |
| computer use | デスクトップアプリやブラウザ操作は仮想マシン外で行われる |
| データ取り扱い | desktop 側で作業するが、Claude が内容を読む・要約する、または外部サービスを使う場面は別途考える |
1. プロンプトインジェクション
Cowork全般に該当するリスクだが、Dispatch経由で処理するファイルに悪意ある指示(プロンプトインジェクション)が埋め込まれている可能性がある。Claudeが指示に従って意図しない操作を行うリスクは、遠隔操作では発見が遅れるため影響が大きい。
対策: 信頼できないソースのファイルを処理する際は、DispatchではなくPC画面で確認しながら実行する。まずは専用の低リスクフォルダに対象をコピーして試す。
2. スマホの紛失・盗難
ペアリング済みのスマホが第三者に渡ると、PC の Claude がすでに許可されている files・connectors・plugins に触れられるリスクがある。
対策: スマホのロック画面設定(生体認証 + パスコード)を徹底する。紛失時は Claude アカウントと端末アクセスを見直し、必要に応じてサインアウトや端末保護を実施する。
3. 不安定なネットワークでの利用
Dispatch は PC / スマホの両方でネット接続が必要だ。どちらかの回線が不安定だと、通知遅延やタスク中断の原因になる。
対策: 機密性の高い作業では、社内ポリシーに沿った信頼できる回線を使う。反応が不安定なときは、まず PC / スマホ両方の接続状態を確認する。
セキュリティの詳細はClaude Coworkセキュリティ完全ガイドを参照してほしい。
「スマホからClaudeを使う」方法はDispatchだけではない。Claudeモバイルアプリ単体でもチャットは可能だ。どちらを使うべきか、使い分けの基準を整理する。
| 判断基準 | Dispatchが適切 | モバイルアプリ単体が適切 |
|---|---|---|
| PC上のファイルが必要 | ローカルファイルの読み取り・加工が必要な場合 | テキストベースの相談・アイデア出し |
| 外部サービス連携が必要 | 許可済み connector 経由の確認や下書き | 一般的な質問・翻訳・要約 |
| 処理時間が長い | 大量データの処理、複数ファイルの横断分析 | 即座に回答が欲しい場合 |
| 画面確認が不要 | 結果をファイルとして保存すれば後で確認できるタスク | 対話的にやりとりしたい場合 |
| PCが起動している | PCが起動中でClaudeアプリが稼働中 | PCが手元にない・電源オフの場合 |
経験則: 「PCにしかないデータを使う」ならDispatch、「Claudeの知識だけで答えられる」ならモバイルアプリ単体。
Dispatch以外のCoworkの活用パターンについてはClaude Cowork活用事例15選で詳しく紹介している。
公式ヘルプで確認できる要件は次のとおり。
| 環境 | 対応状況 | 備考 |
|---|---|---|
| macOS | 対応 | Claude Desktop 最新版が必要 |
| Windows x64 | 対応 | Claude Desktop 最新版が必要 |
| 環境 | 対応状況 | 備考 |
|---|---|---|
| iOS | 対応 | Claude mobile app 最新版が必要 |
| Android | 対応 | Claude mobile app 最新版が必要 |
| プラン | Dispatch利用の見方 |
|---|---|
| Pro | 公式ヘルプで要件として案内されている |
| Max | 公式ヘルプで要件として案内されている |
| Team / Enterprise | Cowork core の availability とは分けて、管理者設定と最新ヘルプを確認する |
| 原因 | 解決策 |
|---|---|
| アプリが古い | PC・スマホ両方の Claude アプリを最新版にアップデートする |
| プラン要件を満たさない | 公式ヘルプの Dispatch 要件とアカウントの plan を確認する |
| PCが awake でない | スリープを解除して Claude Desktop を開き直す |
| 原因 | 解決策 |
|---|---|
| PCがスリープしている | PCのスリープ設定を解除する |
| Claudeデスクトップアプリが閉じている | アプリを起動し、ログイン時の自動起動を設定する |
| ネットワーク切断 | PC・スマホ両方のインターネット接続を確認する |
| VPNや社内ネットワーク設定が影響 | 社内ポリシーに沿って接続経路を切り分ける |
| 原因 | 解決策 |
|---|---|
| 承認待ち状態 | スマホの push notification と PC 側の承認要求を確認する |
| 処理が重すぎる | タスクを分割して送信する |
| ネットワーク不安定 | 安定した回線に切り替える |
| 原因 | 解決策 |
|---|---|
| 指示が曖昧 | フォルダパス・ファイル名・出力形式を明確に指定する |
| コンテキスト不足 | 前提条件や目的を指示に含める |
| 外部サービスの認証切れ | PC側でコネクタの再認証を行う |
Dispatch指示文のベストプラクティス
出先では画面確認や細かな追加入力がしにくいため、1回の指示で確認しやすい下書きが返る指示文を書くのがコツ。「何を」「どこから」「どの形式で」「どこに保存」「どこから先は承認待ちにするか」を含める。
公式ヘルプは Pro / Max を利用条件として案内しており、Dispatch 専用の別料金は示していない。料金や plan gate は変わりやすいため、最終判断はアカウント画面と Help Center の表示で確認する。
動かない。PC が awake で、Claude Desktop アプリが open である必要がある。外出前にその状態を確認しておく。
公式ヘルプは、Dispatch を「desktop 側の local files and connectors を使って作業する」機能として説明している。つまり、スマホから別途アップロードする前提ではない。ただし、Claude がファイル内容を読んだり要約したり、connector / plugin 経由で外部サービスを使ったりする場合は、その内容が Claude の文脈や外部システムに関わりうる。「全部が端末内にだけ残る」とは考えないほうが安全だ。
受け取れる。公式ヘルプでは、タスク完了時 と Claude が go-ahead を必要とするとき にスマホへ push notification が届くと案内されている。
別の機能として整理してよい。Dispatch は Claude Desktop / Cowork 側の mobile access で、Claude Code Remote Control は Claude Code 側の remote workflow だ。どちらも離れた場所から仕事を投げる発想は共通するが、対象 surface が違う。
引き継げる。Dispatchは1つの永続セッションなので、PCのClaudeデスクトップアプリで同じ会話をそのまま操作できる。スマホとPCのどちらからでも同じ文脈に戻れる。
Cowork には承認ステップがあり、Claude が go-ahead を必要とする場面では通知も来る。ただし、computer use を許可しているタスクは desktop 実環境を触るため、重要ファイルや機密アプリではバックアップと権限見直しを前提に使うべきだ。
Claude Cowork Dispatch は、スマホから PC 上の Claude に仕事を預けられる実用的な機能だ。repo 内の Anthropic 公式 snapshot では Pro / Max、desktop awake、Claude Desktop app open が要件として案内されている。「外出先で指示して、戻ったら成果物を確認する」という使い方には十分な価値がある。
すぐに試せる最初の一歩: Claude アプリを両端末で最新版にし、Dispatch の Get started からセットアップする。そのうえで「デスクトップの特定フォルダを要約して」のような low-risk task から試すと、mobile access と desktop execution の感覚を安全に掴みやすい。
Coworkの基本的な使い方から知りたい方はClaude Cowork完全ガイドを、セキュリティの詳細はClaude Coworkセキュリティ完全ガイドを参照してほしい。
本記事は 2026年4月15日時点で repo 内に保持している Anthropic 公式 snapshot をもとに見直しています。Dispatch は feature-level の要件変更が起きやすいため、導入前は Help Center の最新表示を確認してください。
この記事の著者

代表取締役
早稲田大学卒業後、ソフトバンク株式会社にてAI活用やCEO直下案件のプロジェクトマネージャーに従事。その後、不動産スタートアップPit in株式会社の創業、他スタートアップでの業務改善・データ活用を経験後、2023年10月、株式会社ネクサフローを創業し代表取締役CEO就任。