
【2026年版】Databricks vs Snowflake徹底比較|データ分析基盤の選び方
AIサマリー
Databricks(評価額9.3兆円)とSnowflake(時価総額10兆円)を徹底比較。Fivetran、dbt Labs、Monte Carloを含む主要5社の機能・料金・ユースケースを解説。38%の企業が両方使う理由とは?データ基盤選定の決定版ガイド。
1978年、イラン革命の最中に生まれた少年がいました。5歳のとき、家族は24時間以内に国外退去を命じられました。彼らはスウェーデンに逃れました。
その少年は成長し、あることに気づきます。「収益ゼロで数十億ドルの価値がある企業、それは明らかにバブルだ。狂気としか言いようがない」
この発言をしたのは、$134B(約20.1兆円)企業のCEOです。彼の名はAli Ghodsi。会社の名はDatabricks。
一方、フランスではスキー好きの3人が会社を作りました。社名は「雪の結晶」にちなんでSnowflake。2020年、ソフトウェア史上最大のIPOを達成。Warren Buffettも$2.5B(約3,750億円)を投資しました。
ウィスコンシン州では、1922年から4世代にわたって毎夏バケーションを共にする家族から、幼馴染のコンビが生まれました。1人は神経科学者、もう1人はアーティスト。彼らが作ったFivetranは今、評価額$5.6B(約8,400億円)です。
そして「シリコンバレーの神話とは逆だ」と主張するフィラデルフィアの男は、コンサルティング会社として始めた事業を、週80,000チームが使う業界標準に育てました。
AIデータ・アナリティクス市場は約30兆円規模に達しています。本記事では、この革命を牽引する5社の「人間ドラマ」と「技術革新」を深掘りします。
本記事の表記について
- 金額の日本円換算は1ドル=150円で計算しています
- 下線付きの用語にカーソルを合わせると解説が表示されます
Databricks vs Snowflake徹底比較【2026年最新】
データ基盤を選定する際、多くの企業が「DatabricksとSnowflake、どちらを選ぶべきか」で悩みます。結論から言うと、38%の企業が両方を併用しています。それぞれの強みを理解し、用途に応じて使い分けるのが現実的な選択です。
技術アーキテクチャの違い
| 観点 | Databricks(Lakehouse) | Snowflake(Data Cloud) |
|---|---|---|
| アーキテクチャ | データレイクハウス(レイク+DWH統合) | ストレージ・コンピュート分離型DWH |
| 基盤技術 | Apache Spark、Delta Lake | 独自エンジン(クラウドネイティブ) |
| データ形式 | オープンフォーマット(Parquet、Delta) | 独自フォーマット(内部最適化) |
| AI/ML対応 | ネイティブ統合(MLflow、Agent Bricks) | Cortex AI(LLM統合) |
| リアルタイム処理 | Spark Structured Streaming | 限定的(マイクロバッチ中心) |
| ガバナンス | Unity Catalog(オープン) | 独自ガバナンス機能 |
料金体系の違い
| 項目 | Databricks | Snowflake |
|---|---|---|
| 課金単位 | DBU(Databricks Unit) | クレジット |
| ストレージ | クラウドストレージ直接課金(S3/GCS/ADLS) | Snowflake経由で課金 |
| 最小コスト | 約$0.07/DBU〜(従量課金) | 約$2/クレジット〜 |
| コスト最適化 | Photonエンジンで高速化 | 自動サスペンド、リソースモニター |
| 無料枠 | Community Edition(限定機能) | 30日間トライアル |
コスト比較の目安: 同等のワークロードで、Databricksは大規模データ処理で、Snowflakeは標準的なDWHクエリでコスト効率が良い傾向があります。
向いているユースケース
Databricksが向いているケース:
- 機械学習・AIモデル開発が中心
- 非構造化データ(画像、動画、テキスト)の処理
- リアルタイムストリーミング処理
- データサイエンスチームが主導
Snowflakeが向いているケース:
- SQLベースのBI・レポーティングが中心
- マルチクラウドでのデータ共有
- Data Marketplaceでの外部データ活用
- アナリスト・ビジネスユーザーが主導
どちらを選ぶべきか?決定チャート
あなたの組織に最適なデータ基盤を選ぶための判断基準です。
AI/ML開発が最優先 → Databricks
- 機械学習パイプラインを構築したい
- LLMファインチューニングやRAGを実装したい
- データサイエンティストがPython/Scalaで作業する
SQLアナリティクスが最優先 → Snowflake
- BIツール(Tableau、Looker等)との連携が重要
- アナリストがSQLで自己分析できる環境が必要
- データ共有・マーケットプレイス機能を活用したい
両方の要件がある → 両方使う(実際に38%の企業が採用)
- DatabricksでAI/MLワークロードを処理
- SnowflakeでBI・レポーティング環境を構築
- Unity CatalogとData Sharing機能で連携
38%が両方使う理由: 2024年のModern Data Stack調査によると、大企業の38%がDatabricksとSnowflakeを併用しています。これは「どちらが優れているか」ではなく「それぞれの強みを活かす」アプローチが主流になっていることを示しています。
この記事でわかること
- Databricks: 5歳でイランを脱出した少年が作った$134B企業。「AIバブル」を批判しながらフリーキャッシュフロー黒字化を達成した経営哲学
- Snowflake: スキー好きの3人が「雪の結晶」から名付けた会社。ソフトウェア史上最大のIPO、Warren Buffett $2.5B投資の裏側
- Monte Carlo: イスラエル空軍出身の女性CEOが「データダウンタイム」という言葉を創った。AIエージェント時代の「Agent Observability」
- Fivetran: 1922年から4世代続く家族ぐるみの付き合いから生まれた幼馴染コンビ。神経科学者×アーティストの異色創業
- dbt Labs: 「シリコンバレーの神話とは逆」を貫いたフィラデルフィアの男。週80,000チームが使う業界標準を作るまで
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| トピック | AIデータ・アナリティクス |
| カテゴリ | 企業分析 |
| 難易度 | 中級 |
| 対象読者 | データエンジニア、データサイエンティスト、CTO、投資家 |
AI Data & Analytics全体像AIデータ・アナリティクス革命:約30兆円市場の全貌
AIデータ・アナリティクスとは、AIを活用してデータの収集・統合・変換・分析を効率化する技術です。データレイクハウスからデータオブザーバビリティまで、幅広い機能を含みます。
市場規模: 2026年現在、主要5社だけで合計評価額・時価総額は約30兆円($200B)以上。Databricksは2024年最大のベンチャー投資15億円($10B)を実施しました。DatabricksとFivetranの合計評価額は約21兆円($140B)を超えています。
5つの主要カテゴリ
AIデータ・アナリティクス市場は、データライフサイクルによって5つに分類できます。
AI Data & Analytics 5社概要| カテゴリ | 概要 | 代表企業 |
|---|---|---|
| データ基盤 | クラウドDWH/レイクハウス | Databricks |
| データクラウド | マルチクラウドデータプラットフォーム | Snowflake |
| データオブザーバビリティ | データ品質監視・異常検出 | Monte Carlo |
| データ統合 | ELT/データパイプライン | Fivetran |
| データ変換 | SQLベースのデータ変換 | dbt Labs |
Databricks:レイクハウスの王者
プロダクト
Data Intelligence Platform - データレイクとデータウェアハウスを統合したレイクハウスアーキテクチャ
誰が、何に困っていたか
企業内のデータがサイロ化していました。40年間にわたり異なるベンダーのソフトウェアを積み重ねた結果、データへのアクセスが困難になったのです。データエンジニアリング、分析、機械学習が別々のツールで運用され、非効率でした。
今までの解決策
- Hadoopエコシステム(複雑、管理コスト高)
- 従来のデータウェアハウス(スケーラビリティ限界)
- 複数のポイントソリューションの併用
Databricksなら
Apache Sparkを基盤とした統合プラットフォームです。データエンジニアリング、AI/ML、アナリティクスを単一環境で提供します。Unity Catalogによるデータガバナンスを実現。OpenAI、Anthropic、Googleとの戦略的パートナーシップも強みです。
主要機能
- Lakehouse Architecture: データレイクの柔軟性とDWH(データウェアハウス)の性能を統合
- Unity Catalog: 業界唯一の統合オープンガバナンス
- Delta Lake: ACID(原子性・一貫性・独立性・耐久性)トランザクション対応のオープンストレージ
- Agent Bricks: AIエージェント開発プラットフォーム
- MLflow: 機械学習ライフサイクル管理
実際の導入効果
- Mahindra & Mahindra: 日常業務時間を70%削減
- Minecraft: 処理時間を66%短縮
- Fortune 500の60%以上が導入
創業者
| 名前 | 役職 | 経歴 |
|---|---|---|
| Ali Ghodsi | CEO | イラン生まれ、スウェーデン育ち。KTH王立工科大学博士。UC Berkeley客員教授 |
| Ion Stoica | 会長 | ルーマニア出身。カーネギーメロン大学博士。UC Berkeley教授。Conviva共同創業者 |
| Matei Zaharia | CTO | ルーマニア系カナダ人。UC Berkeley博士。Apache Spark創始者。MIT/Stanford教員 |
7人の創業者全員がUC BerkeleyのAMPLab出身です。2009年にMatei ZahariaがApache Sparkを開発しました。2013年にDatabricksを設立。Apache Spark、Delta Lake、MLflowなど主要オープンソースプロジェクトの創始者集団です。
"収益ゼロで数十億ドルの価値がある企業、それは明らかにバブルだ。狂気としか言いようがない。"
— Ali Ghodsi, CEO
資金調達
| ラウンド | 時期 | 金額 | 主要投資家 | 評価額 |
|---|---|---|---|---|
| Series J | 2024年12月 | $10B(約1.5兆円) | Thrive Capital, a16z | $62B(約9.3兆円) |
| Series K | 2025年8月 | $1B(約1,500億円) | a16z, Insight Partners | $100B+(約15兆円超) |
| Series L | 2025年12月 | $4B(約6,000億円) | Insight Partners, Fidelity | $134B(約20.1兆円) |
総調達額: $19.3B(約2.9兆円) 現在の評価額: $134B(約20.1兆円)(2024年最大のベンチャー投資)
※日本円換算は1ドル=150円で計算
注目の指標
- ARR(年間経常収益): $48B(約7.2兆円)(2025年Q3)
- 成長率: 55%以上(Snowflakeの約2倍)
- 顧客数: 15,000社以上
- 特筆: 12ヶ月でフリーキャッシュフローがプラス転換
イラン革命で5歳で国外退去。「バブル」を批判するCEOの本音
1978年、イラン革命の最中に生まれたAli Ghodsi。5歳の時、家族は24時間以内に国外退去を命じられました。彼らはスウェーデンに逃れたのです。
「収益ゼロで数十億ドルの価値がある企業、それは明らかにバブルだ」——彼はFortune Brainstorm AIでAI投資バブルを痛烈に批判しました。
しかしDatabricksは違います。ARR 7.2兆円($48B)、成長率55%以上、フリーキャッシュフロー黒字化を達成。「我々のような速度で成長している限り、その成長率はいずれ市場で起きているマルチプル圧縮を突破する」と彼は語ります。
2025年12月、Databricksは約6,000億円($4B)のSeries Lを調達しました。評価額は約20.1兆円($134B)に達成。2026年中のIPOも視野に入っています。
Snowflake:データクラウドの巨人
プロダクト
AI Data Cloud - ストレージとコンピュートを分離したクラウドネイティブデータプラットフォーム
誰が、何に困っていたか
従来のデータウェアハウスはスケーラビリティに問題がありました。複雑な管理とメンテナンスが必要だったのです。増加するデータ量への対応が困難で、構造化・非構造化データの統合分析ができませんでした。
今までの解決策
- オンプレミスDWH(スケーラビリティ限界)
- Hadoopクラスター(管理が複雑)
- 従来のクラウドDWH(性能問題)
Snowflakeなら
ストレージとコンピュートを分離した革新的アーキテクチャです。マルチクラウド(AWS、Azure、GCP)に対応。自動スケーリングも実現しています。Cortex AIによるLLM(大規模言語モデル)統合。Data Marketplace によるデータ共有エコシステムも提供します。
主要機能
- Cortex AI: Snowflake内でLLMを安全に実行(Claude、OpenAI、Mistral対応)
- Snowflake Intelligence: 構造化・非構造化データに対するAIエージェント
- Data Sharing: セキュアなデータ共有・マーケットプレイス
- Time Travel: データ履歴管理・リカバリ
- Zero-Copy Cloning: 瞬時のデータ複製
実際の導入効果
- BlackRock: Cortex AIでクライアントサービスを大規模化
- EDF: Customer 360をSnowflake上に構築
- 顧客の40%がデータ共有を利用
創業者
| 名前 | 役職 | 経歴 |
|---|---|---|
| Benoit Dageville | 創業者 | フランス出身。パリ第6大学博士。Oracle 16年以上。80件以上の特許保有 |
| Thierry Cruanes | 創業者 | フランス出身。Oracle Database Kernel主要開発者 |
| Marcin Żukowski | 創業者 | ポーランド出身。アムステルダム大学博士。VectorWise共同創業者 |
3人はデータベースの専門家集団です。Benoit DagevilleとThierry CruanesはOracleで16年以上同僚として働きました。Marcin ŻukowskiはCWIでベクトル化実行の概念を開発。2012年、BenoitのアパートでSnowflakeを創業しました。
資金調達・上場
| イベント | 時期 | 内容 |
|---|---|---|
| IPO | 2020年9月 | NYSE上場。約5.1兆円($34B)調達。ソフトウェア史上最大 |
| 初日終値 | 2020年9月 | 時価総額約10.5兆円($70B)(IPO価格から2倍以上) |
| Berkshire | IPO時 | Warren Buffettが約3,750億円($2.5B)投資 |
現在の時価総額: 約10.5兆円($70B)(NYSE: SNOW)
※日本円換算は1ドル=150円で計算
注目の指標
- ARR(年間経常収益): 約6兆円($40B)(2026年)
- 顧客数: 10,618社以上
- Fortune Global 2000: 800社以上が導入
- 特筆: 2024年にCEO交代(Frank Slootman→Sridhar Ramaswamy)
ソフトウェア史上最大のIPO。スキー好きが集まって作った会社
「Snowflake」という社名は、創業者たちのスキーへの共通の情熱にちなんで命名されました。
2012年、BenoitのサンフランシスコのアパートでスタートしたSnowflake。2020年9月、約5.1兆円($34B)を調達してNYSE上場しました。ソフトウェア企業として史上最大のIPOを達成したのです。初日の時価総額は約10.5兆円($70B)。Warren BuffettのBerkshire Hathawayも約3,750億円($2.5B)投資しました。
2024年2月、長年CEOを務めたFrank SlootmanからSridhar Ramaswamy(元Google広告部門責任者)にバトンタッチ。Cortex AIを中心としたAI戦略を加速しています。
「AIは、ソフトウェアにアクセスする方法そのものを変えるプラットフォーム変革だ」——新CEOは語ります。
Monte Carlo:データオブザーバビリティのパイオニア
プロダクト
Data Observability Platform - データパイプラインの品質監視・異常検出
誰が、何に困っていたか
データチームが「データダウンタイム」に悩まされていました。データダウンタイムとは、データが欠損、エラー、不正確な期間のことです。重要な会議前にダッシュボードが壊れていることが発覚します。顧客がデータチームの分析を信頼できなくなっていたのです。
今までの解決策
- 手動でのデータ品質チェック(スケールしない)
- 単純なアラート設定(誤検知が多い)
- 問題発覚後の対応(プロアクティブでない)
Monte Carloなら
機械学習による自動パターン学習と異常検出を実現します。5つの柱(鮮度、分布、ボリューム、スキーマ、リネージ)で監視。Snowflake、Databricks、dbtとの深い統合も特徴です。AIエージェント時代に対応したAgent Observability機能も提供しています。
主要機能
- 異常検知: MLによる自動パターン学習
- インシデントトリアージ: 問題の優先順位付け
- 根本原因分析: データリネージを活用
- Agent Observability: AIエージェントの信頼性監視
- Salesforce統合: CRM/Data Cloudの包括的監視(業界初)
実際の導入効果
- JetBlue: 内部「データNPS」が前年比16ポイント向上
- Snowflake全テーブルの100%自動カバレッジを実現
- G2 Crowdで#1 データオブザーバビリティプラットフォーム
創業者
| 名前 | 役職 | 経歴 |
|---|---|---|
| Barr Moses | CEO | イスラエル出身。スタンフォード大学卒。Gainsight VP。イスラエル空軍指揮官 |
| Lior Gavish | CTO | スタンフォードMBA。Sookasa共同創業→Barracudaに売却。PayPal 7年 |
Barr MosesはGainsightでデータ組織を管理中、重要な会議の直前にダッシュボードが壊れていると報告を受ける経験を繰り返しました。創業前に150人以上のデータリーダーと対話し、「データダウンタイム」という普遍的な課題を発見。2019年にMonte Carloを創業しました。
"この問題はあまりにも痛みを伴い、人々にとってあまりにも意味のあるものだったので、これに対する解決策が存在しない世界など信じられませんでした。"
— Barr Moses, CEO
資金調達
| ラウンド | 時期 | 金額 | 主要投資家 | 評価額 |
|---|---|---|---|---|
| Series A | 2020年9月 | $16M(約24億円) | Accel | - |
| Series C | 2021年8月 | $60M(約90億円) | - | - |
| Series D | 2022年1月 | $135M(約202.5億円) | IVP, Salesforce Ventures, GIC | $1.6B(約2,400億円) |
総調達額: $236M(約354億円) 現在の評価額: $1.6B(約2,400億円)(ユニコーン、創業3年で達成)
※日本円換算は1ドル=150円で計算
注目の指標
- ARR(年間経常収益): 約60億円($40M)以上(2024年9月推計)
- 顧客数: 150社以上のエンタープライズ
- 市場シェア: データオブザーバビリティ分野31.2%
- 特筆: 「データダウンタイム」という概念を創出
イスラエル空軍出身の女性CEO。「データダウンタイム」という言葉を創った
「データへの信頼を高めることが私のミッション」——Barr Mosesは、イスラエル空軍のインテリジェンスデータ分析ユニットの指揮官を務めた経験を持つ女性起業家です。
彼女は「データダウンタイム」という概念を定義し、新しい市場カテゴリを創出しました。「AIが『ゴミを入れればゴミが出る』を全く新しいレベルに引き上げようとしている今、大規模にデータの健全性を観察し維持する力は、あらゆるデータとAI戦略の不可欠な要素となる」と彼女は語ります。
「Agent Observability」を発表し、AIエージェント時代に対応。Databricks Data Governance Partner of the Yearを受賞しました。
Fivetran:データ統合のリーダー
プロダクト
Automated Data Integration Platform - 完全自動化されたELTプラットフォーム
誰が、何に困っていたか
データエンジニアがデータパイプラインの構築・保守に膨大な時間を費やしていました。SaaSアプリケーションからデータウェアハウスへのデータ移動が手動だったのです。スキーマ変更やAPI更新のたびに対応が必要でした。
今までの解決策
- 手動でのETL(抽出・変換・読み込み)パイプライン構築(時間がかかる)
- 従来のETLツール(複雑、メンテナンス大変)
- 社内スクリプト(属人化、障害対応困難)
Fivetranなら
700以上のプリビルトコネクタを提供。ノーコードでパイプライン構築できます。スキーマ変更・API更新の自動対応も実現。dbt Core/Cloud連携。「プラグを差し込めば動く」アプライアンス型アプローチです。
主要機能
- 700+コネクタ: SaaS、データベース、ファイルからDWH(データウェアハウス)へ
- 完全自動化: スキーマ変更、API更新を自動対応
- dbt連携: データ変換パイプラインとシームレス統合
- Managed Data Lake Service: 2024年ローンチ
- SOC 2(セキュリティ監査基準)/ISO 27001/GDPR/HIPAA準拠
実際の導入効果
- Dropbox: データ取り込み・レポート作成を8週間→30分に短縮
- Okta: 1,000エンジニア時間を削減
- HubSpot: GenAI活用で約1,500万円($100K)削減
創業者
| 名前 | 役職 | 経歴 |
|---|---|---|
| George Fraser | CEO | ピッツバーグ大学神経生物学博士。Emerald Therapeuticsサイエンティスト |
| Taylor Brown | COO | アマースト大学(ファインアート)。「Modern Data Stack」の生みの親 |
George FraserとTaylor Brownは幼馴染です。両家族はウィスコンシン州の湖畔で1922年から4世代にわたって毎夏バケーションを共にする伝統があります。2012年にY Combinator採択されました。当初はデータ分析プラットフォームを開発していましたが、データパイプライン事業にピボットしました。
"Fivetranの目標は常に、データへのアクセスを電気のようにシンプルで信頼性の高いものにすることでした。"
— George Fraser, CEO
資金調達
| ラウンド | 時期 | 金額 | 主要投資家 | 評価額 |
|---|---|---|---|---|
| Series A | 2018年12月 | $15M(約22.5億円) | Matrix Partners | - |
| Series C | 2020年 | $100M(約150億円) | General Catalyst, a16z | $1.2B(約1,800億円) |
| Series D | 2021年9月 | $565M(約847.5億円) | a16z | $5.6B(約8,400億円) |
総調達額: $730M〜$850M(約1,095億〜1,275億円) 現在の評価額: $5.6B(約8,400億円)
※日本円換算は1ドル=150円で計算
注目の指標
- ARR(年間経常収益): 約487.5億円($325M)(2024年9月)
- 顧客数: 6,500社以上
- コネクタ数: 700以上
- 特筆: 2025年10月、dbt Labsとの合併発表
神経科学者とアーティストの幼馴染コンビ。そしてdbt Labsとの歴史的合併
George Fraserはピッツバーグ大学で神経生物学の博士号を取得した科学者。Taylor Brownはアマースト大学でファインアートを学んだアーティスト。この異色のコンビは、1922年から続く家族ぐるみの付き合いで幼少期から知り合いでした。
「競合他社の多くはツールキットです。私たちはアプライアンスです。プラグを差し込めば動く」——George Fraserの哲学は、Fivetranを業界標準に押し上げました。
2025年10月13日、FivetranはdbtLabsとの全株式交換による合併を発表しました。統合後のARRは約900億円($600M)、顧客数10,000社以上。George FraserがCEO、Tristan Handy(dbt Labs CEO)がプレジデントに就任予定です。
dbt Labs:データ変換の標準
プロダクト
dbt (data build tool) - SQLベースのデータ変換フレームワーク
誰が、何に困っていたか
データアナリストがデータ変換を行う際、ソフトウェアエンジニアリングのベストプラクティスを適用できませんでした。バージョン管理、テスト、CI/CD(継続的インテグレーション/デプロイ)が使えなかったのです。ETL/ELTの「T」(Transform:変換)部分が軽視され、データエンジニアとアナリスト間に壁がありました。
今までの解決策
- 手動SQLスクリプト(管理困難)
- 従来のETLツール(アナリストが使えない)
- スプレッドシート(スケールしない)
dbtなら
SQLでデータ変換を記述できます。バージョン管理、自動テスト、CI/CD、ドキュメント生成をサポート。Snowflake、Databricks、BigQuery等と統合しています。週80,000チーム以上が利用する業界標準です。
主要機能
- dbt Core: オープンソースCLIツール(無料)
- dbt Cloud: GUI付きSaaSプラットフォーム
- モジュラーコード開発: 再利用可能なSQL
- 自動テスト: データ品質テスト、ユニットテスト
- 自動ドキュメント生成: データリネージ可視化
実際の導入効果
- JetBlue: 26データソースをSnowflake+dbtに移行、ボトルネック解消
- Fortune 500企業採用: 前年比85%増
- 週80,000チーム以上が利用
創業者
| 名前 | 役職 | 経歴 |
|---|---|---|
| Tristan Handy | CEO→President | メリーランド大学卒。UNC Kenan-Flagler MBA。RJMetrics VP |
| Drew Banin | Co-founder | Drexel大学卒。RJMetrics、8tracksエンジニア |
| Connor McArthur | Co-founder | Villanova大学卒。RJMetricsエンジニア |
3人はRJMetricsの同僚です。2016年、コンサルティング会社「Fishtown Analytics」として創業しました。クライアントワークの品質向上のために「dbt」を内部ツールとして開発。オープンソースとして公開したところコミュニティが急成長しました。2021年にdbt Labsへ社名変更しました。
"スタートアップについて、実際には急いではいけないことがある。それには時間がかかるだけだ——そしてそれはシリコンバレーの神話とは完全に逆だ。"
— Tristan Handy, CEO
資金調達
| ラウンド | 時期 | 金額 | 主要投資家 | 評価額 |
|---|---|---|---|---|
| Series B | 2020年11月 | $29.5M(約44.25億円) | Sequoia, a16z | - |
| Series C | 2021年6月 | $150M(約225億円) | - | - |
| Series D | 2022年2月 | $222M(約333億円) | Altimeter Capital | $4.2B(約6,300億円) |
総調達額: $416M(約624億円) 現在の評価額: $4.2B(約6,300億円)(ユニコーン)
※日本円換算は1ドル=150円で計算
注目の指標
- ARR(年間経常収益): 約150億円($100M)突破
- 成長率: 4年で約3億円($2M)→約150億円($100M)(50倍)
- dbt Cloud顧客: 5,000社以上
- 特筆: 2025年10月、Fivetranとの合併発表
「シリコンバレーの神話とは逆」。フィラデルフィアから世界標準を作った男
「もし初日に資金調達をして、永遠に四半期ごとの取締役会を開催していたら、私たちが構築した会社を作ることはできなかっただろう」——Tristan Handyは、シリコンバレーの「Move fast and break things」哲学に真っ向から反論します。
2016年、フィラデルフィアでコンサルティング会社としてスタート。内部ツールとして開発したdbtは、オープンソースとして公開後、毎月10%ずつユーザーが増加。2019年に転換点を迎え、業界標準になりました。
2025年10月、Fivetranとの合併を発表。「Fivetran顧客の80-90%がすでにdbtを利用している。ELTパターンの統合は自然な流れだ」とTristan Handyは語ります。
その他の注目企業
| 企業名 | プロダクト | 評価額/時価総額 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| Confluent | ストリーミングデータ | NYSE上場 | Apache Kafka創始者。リアルタイムデータ処理 |
| Airbyte | オープンソースELT | 約2,250億円($1.5B) | Fivetranのオープンソース代替 |
| Starburst | データレイククエリエンジン | 約5,100億円($3.4B) | Trino(旧PrestoSQL)の商用版 |
| Dataform | データ変換 | Google傘下 | BigQuery特化のdbt代替(無料) |
比較・選び方ガイド
用途別の選び方
従来 vs AI活用の比較| あなたの用途 | 推奨サービス | 理由 |
|---|---|---|
| 統合データ基盤(AI/ML含む) | Databricks | レイクハウス、AI統合、55%成長率 |
| クラウドDWH(マルチクラウド) | Snowflake | NYSE上場、10,600社導入、成熟したエコシステム |
| データ品質監視 | Monte Carlo | G2 #1、データオブザーバビリティのパイオニア |
| データ統合・パイプライン | Fivetran | 700+コネクタ、dbtと合併 |
| SQLベースのデータ変換 | dbt Labs | 業界標準、80,000チーム利用 |
評価額・時価総額とARRのマトリクス
| 企業 | 評価額/時価総額 | ARR(年間経常収益) | 倍率 |
|---|---|---|---|
| Databricks | 約20.1兆円($134B) | 約7.2兆円($48B) | 約28倍 |
| Snowflake | 約10.5兆円($70B) | 約6兆円($40B) | 約17倍 |
| Fivetran | 約8,400億円($5.6B) | 約487.5億円($325M) | 約17倍 |
| dbt Labs | 約6,300億円($4.2B) | 約150億円($100M) | 42倍 |
| Monte Carlo | 約2,400億円($1.6B) | 約60億円($40M) | 40倍 |
よくある質問(FAQ)
Q1. DatabricksとSnowflakeの違いは?
技術面: Databricksは「レイクハウス」アーキテクチャでAI/ML・データエンジニアリングを統合。Snowflakeは「ストレージ・コンピュート分離型」のクラウドDWHでSQLユーザーに最適化。
選び方: AI/ML開発が中心ならDatabricks、SQLアナリティクス・データ共有が中心ならSnowflake。実際には38%の企業が両方を併用しており、それぞれの強みを活かす使い分けが主流です。
詳しくは本記事冒頭の「Databricks vs Snowflake徹底比較」セクションをご覧ください。
Q2. FivetranとAirbyteの違いは?
Fivetranは「プラグ&プレイ」の完全自動化です。Airbyteはオープンソースで高いカスタマイズ性を提供します。Fivetranは月額課金、Airbyteはセルフホスト可能(無料)。エンタープライズ向けならFivetranを検討してください。コスト重視やカスタマイズ重視ならAirbyteです。
Q3. dbt Labsとdbt Coreの違いは?
dbt Coreはオープンソースのコマンドラインツールです(無料)。dbt Cloudは GUI付きのSaaSプラットフォーム(月額約15,000円/$100/ユーザー)。個人や小規模チームはdbt Coreがおすすめです。エンタープライズはdbt Cloudを検討してください。2025年10月のFivetranとの合併後も、dbt Coreはオープンソースとして維持される方針です。
Q4. データオブザーバビリティは必要?
AIがデータを大量消費する時代、データ品質の監視は必須になりつつあります。「ゴミを入れればゴミが出る」問題がAIで増幅されるため、Monte Carloのようなプロアクティブな監視ツールの導入が推奨されます。
Q5. どのツールから始めるべき?
まずデータウェアハウス(Snowflake or Databricks)を選定してください。次にデータ統合(Fivetran)、データ変換(dbt)の順で導入するのが一般的です。Fivetran+dbtの合併により、この2つは統合される予定です。
まとめ
主要ポイント
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約30兆円市場のAIデータ・アナリティクス業界: Databricks 約20.1兆円($134B)、Snowflake 約10.5兆円($70B)超
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5つの主要カテゴリ:
- データ基盤(Databricks): レイクハウス、55%成長率
- データクラウド(Snowflake): NYSE上場、10,600社導入
- データオブザーバビリティ(Monte Carlo): G2 #1、パイオニア
- データ統合(Fivetran): 700+コネクタ、自動化
- データ変換(dbt Labs): 業界標準、80,000チーム
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歴史的合併: Fivetran + dbt Labs(2025年10月発表)→ ARR約900億円($600M)、10,000社顧客
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IPO候補: Databricksは2026年中のIPOを視野に
次のステップ
AIデータ基盤の導入フロー- データ基盤構築: Snowflake or Databricksを検討
- データパイプライン: Fivetran(dbt統合)を導入
- データ品質: Monte Carloでオブザーバビリティを確保
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参考リソース
各社公式サイト
本記事はネクサフローのAI研究シリーズの一部です。
この記事の著者

中村 知良
代表取締役
早稲田大学卒業後、ソフトバンク株式会社にてAI活用やCEO直下案件のプロジェクトマネージャーに従事。その後、不動産スタートアップPit in株式会社の創業、他スタートアップでの業務改善・データ活用を経験後、2023年10月、株式会社ネクサフローを創業し代表取締役CEO就任。


