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【論文解説】MetaGPT: ソフトウェア開発を自動化するマルチエージェントフレームワーク

【論文解説】MetaGPT: ソフトウェア開発を自動化するマルチエージェントフレームワーク

37分で読める|
AI業務自動化新技術革新

AIサマリー

MetaGPTは、複数のAIエージェントが協調してソフトウェア開発を自動化するフレームワークであり、各エージェントが特定の役割を持ち、標準作業手順(SOP)に従って作業を行います。HumanEvalで85.9%の高い性能を達成し、従来の手法に比べて大幅な品質向上を実現しています。プロトタイプ開発やドキュメント自動生成に応用可能で、商用利用も可能です。

2017年、深圳。Tencentのオフィス。

Chenglin Wu(呉成林)は、10億ユーザーのレコメンドシステムを前に、ある確信を得ていました。最年少でT3.3(全社トップ1%相当)に昇格した天才エンジニアは、気づいたのです。

「人間のチームには、明確な役割分担と標準作業手順がある。これをAIに適用したらどうなる?」


2023年8月。その答えが現実になりました。

GitHub Trendingを 17回 席巻した MetaGPT。このフレームワークは、3つの「常識の逆転」で、コード生成性能を 約20ポイント 改善しました。

逆転1: 会話を禁止する エージェント同士の対話をやめ、構造化ドキュメントで連携。HumanEvalで 67% → 85.9%(+18.9ポイント)。

逆転2: Waterfallの復活 アジャイル全盛期に、あえてウォーターフォール型の開発プロセスを採用。AIには「反復」より「明確な手順」が効く。

逆転3: 対話なき協調 PM、アーキテクト、エンジニアのAIチームが、自然言語ではなく「PRD」「設計書」「API仕様」で仕事を進める。

なぜ、こんな非常識なアプローチが成功したのか?

本記事では、AIエージェント研究に革命をもたらしたMetaGPT論文の全貌を解説します。

本記事の表記について

  • 下線付きの用語にカーソルを合わせると解説が表示されます

関連記事: 本記事は「AIエージェント論文おすすめ9選」の詳細解説記事です。他の論文も合わせてご覧ください。


この記事でわかること

  1. MetaGPTの基本概念: プロダクトマネージャー、アーキテクト、エンジニアなど複数エージェントが協調してソフトウェア開発を自動化する仕組み
  2. SOPと構造化出力: 標準作業手順(SOP)とスキーマに基づく出力で品質を担保する設計
  3. 実験結果とユースケース: HumanEvalで85.9%達成した性能と、実際のアプリケーション開発への適用方法

基本情報

項目内容
トピックMetaGPT(マルチエージェント開発)
カテゴリ論文解説
難易度中級
発表ICLR 2024
arXiv2308.00352

次のセクションへ: PM、アーキテクト、エンジニアのAIチームは分かりました。では、彼らはどうやって「対話なし」でコミュニケーションするのか?

MetaGPTの仕組みを図解で理解

MetaGPT の核心は、人間の開発チームをシミュレートした マルチエージェント協調 です。各エージェントは明確な役割を持ちます。構造化された出力を生成しながら連携します。

MetaGPTマルチエージェント開発の概念図MetaGPTマルチエージェント開発の概念図

役割分担:5つの専門エージェント

MetaGPT では、以下の5つの役割を持つエージェントが協調して動作します。

1. プロダクトマネージャー(PM)

ユーザーの要求を分析します。PRD(製品要件ドキュメント) を作成します。

[入力] 「スネークゲームを作って」

[出力: PRD]
- 目的: ブラウザで動作するスネークゲーム
- 機能要件: キーボード操作、スコア表示、ゲームオーバー判定
- 非機能要件: レスポンシブ対応、60FPS以上

2. アーキテクト

PRDを基にシステム設計を行います。技術スタックとファイル構成を決定します。

[入力] PRD

[出力: 設計ドキュメント]
- 技術スタック: HTML5 Canvas, JavaScript
- ファイル構成: index.html, game.js, style.css
- クラス設計: Snake, Food, Game

3. プロジェクトマネージャー

タスクを分割し、実装の優先順位を決定します。

4. エンジニア

設計に基づいて実際のコードを実装します。

やっていること: Snakeクラスの基本的な構造と移動ロジックを実装

<details> <summary>💻 実装コードを見る(スキップ可)</summary>
# game.js の実装例
class Snake {
    constructor() {
        this.body = [{x: 10, y: 10}];
        this.direction = 'right';
    }

    move() {
        const head = {...this.body[0]};
        switch(this.direction) {
            case 'up': head.y--; break;
            case 'down': head.y++; break;
            case 'left': head.x--; break;
            case 'right': head.x++; break;
        }
        this.body.unshift(head);
        this.body.pop();
    }
}
</details>

5. QAエンジニア

生成されたコードをレビューし、テストを実行します。

次のセクションへ: PM、アーキテクト、エンジニアのAIチームは分かりました。では、彼らはどうやって「対話なし」でコミュニケーションするのか? そして、なぜアジャイル時代にWaterfallなのか?


なぜ「会話禁止」で性能が上がるのか

従来の常識:対話で賢くなる

LLM(大規模言語モデル) エージェント同士が対話すれば、より良い解を見つけられる——これが従来の常識でした。

しかし、MetaGPTは真逆の発見をします。

MetaGPTの発見:対話は情報を歪める

エージェント同士が自然言語で会話すると、以下の問題が発生します。

1. Cascading Hallucination(連鎖的幻覚)

1人目のエージェントが誤った情報を生成すると、それを受け取った2人目のエージェントがさらに誤った推論を重ね、3人目、4人目と「誤りの連鎖」が発生します。

2. 曖昧さの蓄積

「良い感じに設計して」「柔軟な実装で」といった曖昧な指示が積み重なり、最終的に何を作るべきか不明確になります。

3. 情報の欠落

口頭での指示は、重要な仕様が抜け落ちやすく、後工程で「聞いてない」問題が発生します。

解決策:構造化ドキュメントによる連携

MetaGPTは、エージェント同士の対話を 構造化ドキュメント に置き換えます。

[PMからアーキテクトへ]
対話: 「ユーザーが遊べるゲームを作って」
↓
構造化PRD:
{
  "title": "スネークゲーム",
  "features": [
    {"id": "F001", "description": "キーボード操作(上下左右)"},
    {"id": "F002", "description": "スコア表示"},
    {"id": "F003", "description": "衝突判定とゲームオーバー"}
  ],
  "tech_requirements": ["HTML5 Canvas", "JavaScript"]
}

この設計により、HumanEvalで 67% → 85.9%(+18.9ポイント)の性能向上を達成しました。


Waterfallの復活:アジャイル時代の逆転

常識:Waterfallは時代遅れ

現代のソフトウェア開発は「アジャイル」が主流です。Waterfall(ウォーターフォール)型開発——要件定義→設計→実装→テストを一直線に進める手法——は「時代遅れ」と見なされています。

しかし、MetaGPTは あえてWaterfall型 を採用しました。

なぜWaterfallが効くのか

1. AIには「反復」が苦手

人間は、失敗しても「前の工程に戻って修正」できます。しかしLLMエージェントは、一度生成した内容を後から大幅に修正するのが苦手です。

2. 明確な手順が品質を担保

Waterfall型では、各工程の「成果物」が明確です。PRD→設計書→コード→テストと、チェックポイントが明確であるため、品質が安定します。

3. コストの削減

アジャイル型では、反復のたびにLLM APIを呼び出す必要があり、コストが増大します。Waterfall型は、一度の通過でタスクを完了するため、コスト効率が良いのです。

Assembly Line(組み立てライン)の概念

MetaGPTは、Waterfall型を Assembly Line(組み立てライン) に例えます。自動車工場のように、各エージェントが専門作業を順次実行し、最終的に完成品(ソフトウェア)が出来上がります。

[Assembly Line]
PM(要件分析) → Architect(設計) → Engineer(実装) → QA(テスト)
   ↓                ↓                  ↓                ↓
  PRD          設計書              コード           テスト結果

人間には時代遅れでも、AIには最適かもしれない——この逆転の発想が、MetaGPTの成功の鍵です。

次のセクションへ: Waterfallの「弱点」は?そして、MetaGPTはどうやってそれを補っているのか?


SOP(Standard Operating Procedures)の重要性

SOPとは何か?

SOP(標準作業手順) とは、人間の組織で使われる業務プロセスをAIエージェントに適用したものです。MetaGPT の最大の特徴は、このSOPをエージェント間の協調に組み込んだことです。

なぜSOPが効果的か

1. 役割の明確化

各エージェントが「何をすべきか」「何を出力すべきか」が明確になります。曖昧な指示による品質低下を防ぎます。

2. 情報の構造化

エージェント間でやり取りされる情報が構造化されるため、誤解や情報の欠落が減少します。

3. 品質の一貫性

同じプロセスを繰り返すことで、出力品質のばらつきが抑えられます。

SOPの具体例

MetaGPTの開発フローMetaGPTの開発フロー
[SOP: 要件定義フェーズ]
1. PM: ユーザー入力を受け取る
2. PM: 要件を分析し、PRDを作成
3. PM: PRDをアーキテクトに渡す

[SOP: 設計フェーズ]
1. アーキテクト: PRDを読み込む
2. アーキテクト: 技術スタックを選定
3. アーキテクト: システム設計書を作成
4. アーキテクト: 設計書をエンジニアに渡す

Structured Output(構造化出力)

構造化出力とは

従来の LLM(大規模言語モデル) は自由形式のテキストを出力します。しかし MetaGPT では、各エージェントがスキーマに従った構造化データを出力します。

構造化出力の利点

1. パース可能性

JSONやYAML形式で出力されるため、次のエージェントが確実にデータを解釈できます。

{
  "prd": {
    "title": "スネークゲーム",
    "features": [
      { "id": "F001", "description": "キーボードで蛇を操作" },
      { "id": "F002", "description": "餌を食べるとスコア加算" },
      { "id": "F003", "description": "壁や自分にぶつかるとゲームオーバー" }
    ],
    "tech_requirements": ["HTML5", "JavaScript", "Canvas API"]
  }
}

2. バリデーション

出力がスキーマに適合しているかを自動検証できます。

3. トレーサビリティ

各フェーズの出力が記録されるため、問題発生時に原因を追跡しやすくなります。

次のセクションへ: SOPと構造化出力の理論は分かりました。では、実際にどれくらい性能が向上したのか? 数字で検証してみましょう。


実験結果:どれくらい性能が上がるのか

論文では、複数のベンチマークでMetaGPTの性能を検証しています。

HumanEvalでの結果

HumanEval は、プログラミングタスクの正解率を評価するベンチマークです。

手法Pass@1
GPT-4(単独)67.0%
ChatGPT + CoT(思考の連鎖)65.2%
MetaGPT85.9%

MetaGPT は、GPT-4単独と比較して約19%の性能向上を達成しました。

MBPPでの結果

MBPP(Mostly Basic Python Problems) は、基本的なPythonタスクを評価するベンチマークです。

手法Pass@1
GPT-4(単独)80.1%
MetaGPT87.7%

SoftwareDev(独自ベンチマーク)での結果

指標ChatDevMetaGPT
実行可能率62.5%81.3%
コード品質スコア3.2/54.1/5
平均修正回数2.8回1.2回

なぜこれほど性能が向上するのか

  1. 役割分担による専門化: 各エージェントが特定のタスクに集中できる
  2. 構造化された情報伝達: 曖昧さが排除され、エラーの連鎖が防止される
  3. 反復的な品質改善: QAエージェントによるレビューとフィードバック

次のセクションへ: 性能は分かりました。では、実際にどんな開発タスクに使えるのか? 具体例を見てみましょう。


ユースケース

ユースケース1: Webアプリケーション開発

入力: 「ToDoリストアプリを作って。タスクの追加、完了、削除ができるようにして」

MetaGPTの動作:

  1. PM: 機能要件をPRDとして整理
  2. アーキテクト: React + TypeScript + LocalStorageの構成を提案
  3. エンジニア: コンポーネント設計とコード実装
  4. QA: 動作確認とバグ修正

出力: 完全に動作するToDoアプリのソースコード一式

ユースケース2: CLIツール開発

入力: 「CSVファイルをJSONに変換する CLI(コマンドライン) ツールを作って」

MetaGPTの動作:

  1. PM: 入出力形式、エラーハンドリング要件を定義
  2. アーキテクト: Python + argparseの構成を決定
  3. エンジニア: パーサーとコンバーターを実装
  4. QA: エッジケースのテスト

ユースケース3: APIサーバー開発

入力: 「ユーザー認証機能付きの REST API を作って」

MetaGPTの動作:

  1. PM: 認証フロー、エンドポイント設計を文書化
  2. アーキテクト: FastAPI + JWT + SQLiteの構成を提案
  3. エンジニア: ルーティングとミドルウェアを実装
  4. QA: セキュリティテストを実施

【ネクサフローでの活用視点】

MetaGPT の概念は、実際のDX支援業務にも応用可能です。

DX支援での適用可能性

プロトタイプ開発の高速化

クライアントの要件を入力し、動作するプロトタイプを短時間で生成します。PoC(概念実証) 段階でのスピードを大幅に向上できます。

ドキュメント自動生成

PRDや設計書を自動生成し、人間がレビュー・修正するワークフローで、ドキュメント作成工数を削減できます。

コードレビュー支援

QAエージェントの概念を応用し、既存コードの自動レビューを実施できます。

導入時の注意点

  1. 最終確認は人間が行う: 生成されたコードは必ず人間がレビュー
  2. セキュリティ要件に注意: 認証・認可の実装は慎重に確認
  3. 段階的な導入: まずは社内ツールなど影響範囲が小さいものから

FAQ

Q1. MetaGPTとAutoGPTの違いは?

AutoGPT: 単一エージェントが自律的にタスクを実行します。タスクの計画と実行を一つのエージェントが担当します。

MetaGPT: 複数エージェントが役割分担して協調します。人間の開発チームをシミュレートします。

MetaGPT は役割分担により、より複雑で品質の高い出力が可能です。

Q2. どんなプログラミング言語に対応している?

論文の実験ではPythonが主ですが、アーキテクチャ上は言語に依存しません。プロンプトでJavaScript、TypeScript、Goなども指定可能です。

Q3. ローカルLLMでも動作する?

オリジナルはGPT-4を想定しています。しかしコミュニティによってLlama系モデルでの動作報告もあります。ただし、性能は低下する可能性があります。

Q4. 商用利用は可能?

MetaGPT のコードは MITライセンス で公開されており、商用利用可能です。ただし、使用するLLMのライセンス条件も確認してください。

Q5. MetaGPTで生成したコードの品質はどの程度ですか?

HumanEvalで85.9%、MBPPで87.7%の Pass@1 を達成しています。

ただし、生成されたコードは必ず人間がレビューしてください。特にセキュリティ要件に関わる部分は慎重に確認してください。プロトタイプや社内ツールなど、影響範囲の小さいプロジェクトから導入することを推奨します。


【驚きの事実】MetaGPTの舞台裏

創業者Chenglin Wuの異色の経歴

MetaGPTの創設者 Chenglin Wu(呉成林) は、典型的なAI研究者ではありません。彼は、大規模システムを実際に構築してきた「実務家」です。

学歴と初期キャリア

期間経歴成果
2008-2012厦門大学(Xiamen University)コンピュータサイエンス学士-
2012-2014Huawei 研究所トップ10新入社員、チーム最年少テクニカルエキスパート。10以上のOSSプロジェクトに貢献

Tencent時代(2014-2018):圧倒的な実績

役職・成果詳細
T3.3シニアリサーチャーTencent全体のトップ1%相当。最年少で昇格
大規模システム設計10億ユーザー、1000億データを扱うレコメンドシステム、検索エンジン、知識グラフ、NLU、画像理解などを設計・実装
受賞歴Tencent Double Five-Star賞(トップ1%の社員に贈られる)を含む 10以上の社内賞 を受賞

起業とその後(2018年〜)

年出来事
2018Forbes China 30 Under 30 に選出
2018, 2019Hurun 30×30 Entrepreneurial Leaders に選出(2年連続)
2019DeepWisdom を創業。企業向けAIソリューションを提供
2023年8月MetaGPTを発表。GitHub Trending Monthlyで 17回トップ 獲得
2024年3月GitHubで 35,510 stars 達成
2024年ICLR 2024 Oral(top 1.2%)、LLM-based Agent category #1 を獲得
2025年2月後続プロジェクト MGX (MetaGPT X) を正式リリース。サブタイトル: "The World's First AI Dev Team"

着想の瞬間

Tencent時代、Wuはある矛盾に気づきました。

「AIはどんどん賢くなっているのに、なぜコード生成は失敗ばかりなのか?」

答えは、人間の組織にありました。ソフトウェア会社には、明確な 役割分担(PM、アーキテクト、エンジニア)と 標準作業手順(SOP) があります。それをAIに適用したらどうなる?

この仮説が、MetaGPTの出発点でした。


DeepWisdomのその後

Chenglin Wuが創業した DeepWisdom は、MetaGPT以降も進化を続けています。

プロジェクト内容
MetaGPT (2023)初代マルチエージェントフレームワーク。GitHub 35,510 stars
AFlow (2024)ワークフロー最適化フレームワーク。ICLR 2025 Oral(top 1.8%)、LLM-based Agent category #2
MGX (2025)"The World's First AI Dev Team"。自然言語プログラミングの実現に向けた最新版

資金調達: 公式情報は非公開ですが、Forbes 30 Under 30、Hurun 30×30の選出歴から、投資家からの注目度は高いと推測されます。


40年前の理論が現実に

1986年、AIの巨人 Marvin Minsky は「Society of Mind」理論で述べました。

「知性は単一の完璧な原理ではなく、膨大な多様性から生まれる」 「人間の心は、個別にはシンプルなエージェントの巨大な社会である」

DeepWisdomの公式サイトには、こう記されています。

「私たちはMarvin Minskyの画期的な『Society of Mind』に触発され、AIを構築するだけでなく、集合知の織物を編んでいます」

Andrew Ng(スタンフォード大学教授、元Google Brain創設者) も、この理論を支持します。

「ChatGPT-3.5のエージェントチームが、GPT-4単体を上回ることがある」

40年前の理論が、2023年のLLM時代についに実現したのです。そして、Chenglin WuのMetaGPTは、その最も成功した実装例の一つとなりました。


まとめ

MetaGPT は、複数のAIエージェントが人間の開発チームのように協調してソフトウェアを開発するフレームワークです。

主要ポイント

  1. **SOP(標準作業手順)**により、役割分担と品質を担保する設計
  2. 構造化出力により、エージェント間の情報伝達を確実に行う
  3. **HumanEvalで85.9%**の高い性能を達成し、GPT-4単独より約19%向上

人に話したくなるポイント

  • 「会話禁止」で性能向上: エージェント同士の対話をやめて構造化ドキュメントにしたら、性能が18.9ポイント向上
  • Waterfallの復活: アジャイル全盛期に、あえてウォーターフォール型を採用。「人間には時代遅れでも、AIには最適」という逆転の発想
  • 1行で完成: python startup.py "Create a 2048 game" で完全なゲームが生成される(コスト約2ドル)
  • Tencent最年少T3.3: 創業者Chenglin Wuは、全社トップ1%の最年少研究者。10億ユーザーのシステムを構築した経験からMetaGPTを着想
  • Forbes + Hurun W受賞: Forbes 30 Under 30(2018)、Hurun 30×30(2018, 2019)に選出
  • GitHub 17回トップ: 2023年8月、GitHub Trending Monthlyで17回トップを獲得
  • ICLR 2024でランキング#1: LLM-based Agent分野でトップ評価を獲得(top 1.2%)
  • Society of Mind実現: 1986年のMarvin Minsky理論が、40年後に現実のものに

次のステップ

  • MetaGPT の公式リポジトリでサンプルを実行する
  • 社内ツールなど影響範囲の小さいプロジェクトで検証する
  • セキュリティ要件を考慮した導入計画を策定する

次に読むべき論文

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参考リソース

  • arXiv論文
  • GitHub公式リポジトリ
  • 公式ドキュメント
  • ICLR 2024 論文ページ

この記事の著者

中村 知良

中村 知良

代表取締役

早稲田大学卒業後、ソフトバンク株式会社にてAI活用やCEO直下案件のプロジェクトマネージャーに従事。その後、不動産スタートアップPit in株式会社の創業、他スタートアップでの業務改善・データ活用を経験後、2023年10月、株式会社ネクサフローを創業し代表取締役CEO就任。

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目次

  • この記事でわかること
  • 基本情報
  • MetaGPTの仕組みを図解で理解
  • 役割分担:5つの専門エージェント
  • なぜ「会話禁止」で性能が上がるのか
  • 従来の常識:対話で賢くなる
  • MetaGPTの発見:対話は情報を歪める
  • 解決策:構造化ドキュメントによる連携
  • Waterfallの復活:アジャイル時代の逆転
  • 常識:Waterfallは時代遅れ
  • なぜWaterfallが効くのか
  • Assembly Line(組み立てライン)の概念
  • SOP(Standard Operating Procedures)の重要性
  • SOPとは何か?
  • なぜSOPが効果的か
  • SOPの具体例
  • Structured Output(構造化出力)
  • 構造化出力とは
  • 構造化出力の利点
  • 実験結果:どれくらい性能が上がるのか
  • HumanEvalでの結果
  • MBPPでの結果
  • SoftwareDev(独自ベンチマーク)での結果
  • なぜこれほど性能が向上するのか
  • ユースケース
  • ユースケース1: Webアプリケーション開発
  • ユースケース2: CLIツール開発
  • ユースケース3: APIサーバー開発
  • 【ネクサフローでの活用視点】
  • DX支援での適用可能性
  • 導入時の注意点
  • FAQ
  • Q1. MetaGPTとAutoGPTの違いは?
  • Q2. どんなプログラミング言語に対応している?
  • Q3. ローカルLLMでも動作する?
  • Q4. 商用利用は可能?
  • Q5. MetaGPTで生成したコードの品質はどの程度ですか?
  • 【驚きの事実】MetaGPTの舞台裏
  • 創業者Chenglin Wuの異色の経歴
  • DeepWisdomのその後
  • 40年前の理論が現実に
  • まとめ
  • 主要ポイント
  • 人に話したくなるポイント
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