営業の時間管理術|活動時間を計測してKPI達成率を上げる方法
AIサマリー
営業KPIが達成できない原因は「時間不足」かも。Googleカレンダーを使った簡単な時間計測で、目標達成への正しい打ち手が見えてきます。すぐ実践できる方法を解説。
営業のKPI達成に悩んでいるなら、まず「活動時間」を計測してください。最もコントロールしやすい要素なのに、多くの営業組織が見落としています。
本記事の表記について
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この記事でわかること
- 時間計測の重要性: KPIやファネル分析の前に、投下時間を計測すべき理由
- Googleカレンダーでの実装方法: GASを使った簡単な時間計測の仕組みと運用ポイント
- 時間×成果の分析フレームワーク: 4象限で適切な改善策を導き出す方法
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| トピック | 営業の時間管理術 |
| カテゴリ | パフォーマンス向上 |
| 対象 | 営業マネージャー・営業担当者 |
| 難易度 | 初級 |
なぜ時間計測が必要なのか
優れた分析も前提がずれれば無意味
どんなに優れた分析を行なっても、前提がずれていれば誤った打ち手になります。営業活動においては、投下時間の計測が最も基本的な前提です。
AIで効率化した時間を何に使うか
生成AIで生産性向上、効率化が注目されます。では、空いた時間に人間は何をするのでしょうか?
意思決定とコミュニケーションです。特に営業職においては、顧客接点の強化が求められます。

本記事の「営業職」の定義として、顧客の課題解決、その意思決定をアシストする情報提供を行い、購買活動を支援することを目的として、売ることは手段とします。
空いた時間で顧客接点を増やすにしても、そもそも今どれくらい営業活動に時間を使っているのでしょうか。
最もコントロールしやすい要素を見落としていないか
多くの営業組織、個人は目標達成のためにKPI(重要業績評価指標) やファネル分析を行います。
リード→アポ→商談→受注→売上というファネルにおいて、前工程は自社の努力でコントロールしやすい傾向があります。一方、後工程に進むほど顧客や競合など他の要因が影響し、コントロールが困難になります。
しかし、最もコントロールしやすい「営業活動に使った時間」を計測していないケースが多いのではないでしょうか? 本記事では簡単に計測できる方法、運用、メリットを提示します。
営業活動の時間を計測する方法
実装ステップ
1. Googleカレンダーに特定のキーワードを入れる
ポイントは「go1t_[予定名]」など、他と重複しないキーワードを使うことです。
go1tは、オープンハウスの「行こうぜ1兆」から着想を得て、Go 1 trillionを略したものです(意味はありません)。気合いの入ったワードにするのがおすすめです。
2. Google Apps Scriptで自動集計する
GAS(Google Apps Script) を使い、go1tが含まれる予定、開始日時、終了日時を抽出します。スプレッドシートへ1時間に1回更新されるようにしてください。
注意: 機密性の高いGoogleカレンダーの情報を取得するため、必ず情報システム部の方に確認してください。
3. ピボットやグラフで個人別に振り返る
以上です。とても簡単な仕組みです。
日々の営業活動に溶け込ませる運用方法
運用フロー
-
過去データから仮説を立てる
アポイント1件取るために、何コール必要で、何時間必要か。提案型であれば、1件受注するために何件必要で、何時間必要か。まずは過去のデータがあればそれを元に仮説を立てます。
-
スプレッドシートで目標データを作る
-
目標と実績を突合する
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KPIとセットで分析する
KPIの予実も見られると、より正確な分析ができます。
-
日次、週次で振り返りを行う(最重要)
ここが最も重要です。 振り返りなしでは計測の意味がありません。
時間×成果の4象限分析
時間計測の最大のメリットは、適切な改善策を導き出せることです。以下の4象限で分析してください。
| 象限 | 状況 | 打ち手 |
|---|---|---|
| 時間使えた × 達成 | 目標達成 | 目標のストレッチ度合いを確認。次期目標を設定する。 |
| 時間使えた × 未達 | 活動量は十分だが成果が出ない | 活動の質を見直す。コール内容、提案内容、ターゲット選定など。 |
| 時間使えなかった × 達成 | 少ない時間で成果が出た | 運が良かった可能性を検証。持続性があるかを確認する。 |
| 時間使えなかった × 未達 | 活動時間が足りない | 他業務を見直し、上長が時間の優先順位をつける。 |
どの場合においても、良い意思決定、良い改善につながります。
始める前に知っておくべきこと
マイクロマネジメントに見えやすい
目的や背景を丁寧に伝えてください。チームが気持ちよくスタートできる状態を作ることが重要です。
簡単にハックできる仕組みである
空予定を入れたり、簡単にハックできる仕組みです。
先々の予定を埋めると日程調整に影響が出るため、過度に入れるのはおすすめしません。また、作業後に実際の時間に修正するのがポイントです。
何分単位で記録するか
メールを返信するなど、1-2分の作業でもつけるのか?という議論が発生します。
過去の経験上、15分単位が最適でした。
他にも前提条件がある
本記事では触れませんでしたが、そもそも時間の前に、以下のような前提条件があります。
- サービス知識、業界知識、事例の習得
- ロープレを通じたアウトプット練習
これらが整っているかも重要です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 時間計測は何分単位で行うべきですか?
15分単位がおすすめです。1-2分の細かい作業まで記録しようとすると運用が煩雑になります。逆に30分以上だと精度が低くなります。
Q2. チームメンバーにマイクロマネジメントと思われませんか?
目的と背景を丁寧に伝えることが重要です。
「監視」ではなく「改善のためのデータ収集」であることを説明してください。結果が良くなればチーム全体のメリットになることを強調しましょう。
Q3. Googleカレンダー以外のツールでも可能ですか?
はい、可能です。
OutlookカレンダーやNotion、各種タイムトラッキングツール(Toggl、Clockify等)でも同様の運用ができます。重要なのはデータを定期的に集計・分析することです。
Q4. 時間を使えているのに成果が出ない場合はどうすべきですか?
活動の質を見直す必要があります。
コールの質、提案内容、ターゲット選定などを確認し、改善点を特定してください。時間計測があることで「量」ではなく「質」の問題だと特定できます。
Q5. 新人とベテランで目標時間は変えるべきですか?
はい、スキルレベルに応じて調整すべきです。
新人は習熟に時間がかかります。最初は目標を低めに設定し、成長に合わせて引き上げていくアプローチが効果的です。
まとめ
主要ポイント
- 時間計測の重要性: KPIやファネル分析の前に、投下時間の計測が必要
- 簡単な実装: Googleカレンダー+GASで手軽に始められる
- 正しい分析: 時間データがあることで、適切な改善策を打てる
次のステップ
- 自社のGoogleカレンダーでキーワードルールを決める
- まずは1週間、手動で時間を記録してみる
- データを集計して振り返りミーティングを行う
参考リソース
本記事はネクサフローの営業効率化シリーズの一部です。
この記事の著者

中村 知良
代表取締役
早稲田大学卒業後、ソフトバンク株式会社にてAI活用やCEO直下案件のプロジェクトマネージャーに従事。その後、不動産スタートアップPit in株式会社の創業、他スタートアップでの業務改善・データ活用を経験後、2023年10月、株式会社ネクサフローを創業し代表取締役CEO就任。


