
Marc Andreessen × Kevin Kelly | AIと経済成長の未来
AIサマリー
a16z創業者Marc AndreessenとWired創刊編集長Kevin Kellyが、AIをアーキテクチャとして捉える意味、経済成長の絶対的必要性、300年続くシンギュラリティについて語る思想的対談。
Andreessen Horowitz(a16z)の共同創業者Marc AndreessenとWired創刊編集長Kevin Kellyが、AIの未来と経済成長について語る思想的対談です。
本記事の表記について
- 下線付きの用語にカーソルを合わせると解説が表示されます
- 本記事には金額表記は含まれていません
この記事でわかること
- AIは機能かアーキテクチャか: 全てを再構築する革命としてのAI
- 経済成長の絶対的必要性: ゼロサム政治を避けるための成長論
- 300年続くシンギュラリティ: 私たちは既に転換点の中にいる
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| トピック | AI、経済成長、テクノロジー未来論 |
| カテゴリ | 対談解説 |
| 難易度 | 中級〜上級 |
| 想定読者 | 技術者、起業家、投資家、政策立案者 |
話者プロフィール
Marc Andreessen | a16z共同創業者、Netscape創業者
Netscape Navigatorを開発し、Webブラウザを普及させた伝説的プログラマーです。現在はAndreessen Horowitz(a16z)の共同創業者として、シリコンバレーで最も影響力のある投資家の一人です。
本対談では、AIアーキテクチャ論、経済成長の道徳的必然性、300年のシンギュラリティ論を展開します。
Kevin Kelly | Wired創刊編集長、Long Now Foundation共同創業者
雑誌「Wired」の創刊編集長として、テクノロジー文化を形成した思想家です。Long Now Foundationを共同創業し、10,000年単位の長期思考を提唱しています。
本対談では、デジタルディバイドの自然解消、技術実現のタイミング問題について洞察を示します。
全員がインターネットに接続された世界の影響
デジタルディバイドの自然解消
Kevin Kellyは、かつてWired時代に懸念されていた**デジタルディバイド(情報格差)**について以下のように述べています。
"The digital divide will naturally be solved. What we need to worry about is what happens when everyone is online."
「デジタルディバイドは自然に解消されます。心配すべきは、全員がオンラインになったときに何が起こるかです」
— Kevin Kelly, Wired創刊編集長
25年をかけて、ほぼ全ての成人がインターネットに接続される時代が到来しました。インドの富豪Mukesh Ambaniは「Jio」プログラムで5億人の低所得層インド人にインターネットアクセスを提供しています。
6ヶ月無料、その後月額約100円という価格設定です。
全員接続後の文化形成
Marc Andreessenは、インターネットの文化的影響がこれから本格化すると指摘します。
"The cultural impact of the internet is just beginning. In the sense of a world that has an internet-based culture... You can form culture after universalization, and that's happening right now."
「インターネットの文化への影響は始まったばかりです。インターネットベースの文化を持つ世界という意味で...普遍化してから文化を形成できます。それが今まさに起きています」
— Marc Andreessen, a16z共同創業者
インターネットは単なるインフラではなく、文化そのものの基盤になりつつあります。この変化は、物理的な接続が完了した今、加速していきます。
AIは「機能」か「アーキテクチャ」か
既存製品の6番目の機能として追加するのか
Marc Andreessenは、現在多くの企業がAIを「6番目の機能」として追加していると指摘します。
プレゼンテーションスライドの1〜5番目の箇条書きに続けて、「6. AI」と追加されるだけのパターンです。この場合、AIは既存ビジネスモデルに付加価値を与える程度の役割に留まります。
全てを再構築する新しいアーキテクチャとして捉えるのか
"Is AI a feature or is it an architecture? We believe AI is a platform and an architecture."
「AIは機能なのか、それともアーキテクチャなのか。私たちはAIをプラットフォームでありアーキテクチャとして捉えています」
— Marc Andreessen, a16z共同創業者
Marc Andreessenは、AIをアーキテクチャとして捉えるべきだと主張します。メインフレーム→PC→インターネット→クラウドという一連のアーキテクチャシフトに続く革命として位置づけます。
AIの2つの解釈メインフレーム→PC→インターネット→クラウドに続く革命
アーキテクチャシフトが起きると、全てのアプリケーションとインフラが根本から再構築されます。
"In the future, you might give your business AI access to all your emails, all phone calls, all financial records, and just ask it for the answer."
「将来、ビジネスのAIに全てのメール、全電話、全財務記録へのアクセスを与え、AIに答えを出させるだけになります」
— Marc Andreessen, a16z共同創業者
ビジネスソフトウェアの50年間のモデル(フォーム入力→データ保存→レポート)が不要になる可能性があります。Googleは既に検索結果の「10個の青いリンク」から「答えそのもの」への移行を進めています。
技術実現のタイミング問題
すべての成功技術には25-50年の前史がある
Marc Andreessenは、技術実現には長い前史があると指摘します。
- iPhone(2007年)← IBM Simon(1997年)← RadioShack TRS-80スマートフォン(1982年)
- ビデオ会議 ← 1960年代の万国博覧会
- 電信 ← 1870年代に発明、100年後に日本で産業化
- 光ファイバー ← 1840年代のパリで光通信実験
技術実現までの時系列「アイデアが実現するかではなく、いつ実現するか」
"The question is not what is a new idea. It's not whether it will happen, but when it will happen."
「問いは何が新しいアイデアかではありません。それが実現するかではなく、いつ実現するかです」
— Marc Andreessen, a16z共同創業者
この視点は、ベンチャーキャピタルの投資判断にも影響します。Marc Andreessenは「アイデアは既に存在する。タイミングが全てだ」と考え、ピッチを受ける際も「いつ実現するか」に焦点を当てます。
ムーアの法則の未来
チップ単位のムーアの法則は物理限界に到達
**ムーアの法則(トランジスタ密度が2年ごとに倍増)**は、物理学の限界に達しつつあります。原子レベルのサイズまで微細化が進み、チップ単体での性能向上は困難になっています。
3つの代替経路
しかし、Marc Andreessenは3つの代替経路を示します。
- スケールアウトアーキテクチャ(クラウド): 単一チップの性能向上ではなく、数千のチップを並列利用
- 専用チップ(ニューラルネット用): GPUなど特定用途に最適化されたチップ
- ソフトウェア最適化(Wirth's Lawの逆転): プログラマーが効率化を再開
ムーアの法則の3つの代替経路**Wirth's Law(ヴィルトの法則)**とは、「ソフトウェアの肥大化がハードウェアの進歩を相殺する」という現象です。「Andy gives Moore's law and then Bill taketh away(アンディ[Intel]がムーアの法則を与え、ビル[Microsoft]が奪い去る)」という格言があります。
ソフトウェアの肥大化がハードウェアの進歩を相殺してきましたが、今こそ最適化の好機です。
ムーアの法則は予言ではなく目標だった
"Gordon Moore said it was not a prediction, it was a goal. Thousands, tens of thousands, hundreds of thousands of engineers worked to make it happen."
「ゴードン・ムーアは、それは予言ではなく目標だと言いました。何千、何万、何百万のエンジニアが実現に向けて働きました」
— Marc Andreessen, a16z共同創業者
ムーアの法則は自然現象ではなく、集団的努力の結果でした。同様に、今後の進歩も意図的な目標設定とエンジニアリングによって実現されます。
音声UIの可能性と限界
音声はキーボード/マウス/タッチの1対1置き換えにはならない
音声インターフェースは、既存のUI(キーボード・マウス・タッチ)を完全に置き換えるわけではありません。それぞれの用途が明確で、音声は新たなモダリティとして追加されます。
自然言語処理の転換点
Marc Andreessenは、**自然言語処理(NLP)**が7年前の画像認識と同じ転換点を迎えたと感じています。50年間の研究が実用レベルに到達し、会話型UIが急速に改善しています。
Apple AirPodsの画期的な意味
"Apple AirPods were a fundamental breakthrough."
「Apple AirPodsは根本的なブレークスルーでした」
— Marc Andreessen, a16z共同創業者
常時装着可能なワイヤレスイヤホンにより、機械との継続的な対話が可能になりました。**AR(拡張現実)**体験の基盤は、視覚的なオーバーレイではなく、音声による対話である可能性があります。
バイオテクノロジーの転換点
生物学が「発見」から「エンジニアリング」へ移行
Marc Andreessenは、生物学が科学的発見の段階から工学的設計の段階に移行していると主張します。
電気工学や機械工学と同じように、生物をプログラムし、エンジニアリングできる時代が来ようとしています。
Eroom's Law(ムーアの逆)による創薬コスト増
創薬業界には**Eroom's Law(イールームの法則、Mooreの逆綴り)**という現象があります。新薬の発見コストが年々増加し、現在は数十億ドルに達しています。
これは「発見」に依存しているためです。運任せの試行錯誤から、工学的な設計へのシフトが求められます。
工学的アプローチで製薬革命が起きる
生物をエンジニアリングできれば、ムーアの法則のような加速的進歩が製薬業界にも訪れます。これがa16zがバイオテクノロジー投資に注力する理由です。
5Gの地政学的重要性
米中新冷戦の主戦場
**5G(第5世代移動通信システム)**は単なる高速通信規格ではなく、米中新冷戦の主戦場になっています。かつての宇宙開発競争と同様に、国家間競争が技術進歩を加速させます。
ネットワーク価値の3法則:Sarnoff、Metcalfe、Reed
Marc Andreessenは、ネットワーク価値の3つの法則を紹介します。
- Sarnoff's Law(サーノフの法則): ネットワーク価値 = N(ノード数)← ブロードキャストTV
- Metcalfe's Law(メトカーフの法則): ネットワーク価値 = N²(接続数)← メール
- Reed's Law(リードの法則): ネットワーク価値 = 2^N(グループ数)← SNS
2^Nは指数関数的に増加し、グラフ上で垂直に上昇します。FacebookやWhatsAppのグループ形成がこれに該当します。
5Gはこれら3つの法則すべてを加速し、デバイス数・接続数・グループ数を飛躍的に増やします。
シェアリングエコノミーの教訓
「Uber for X」の大半が失敗した理由
AirbnbとUberの成功後、「Uber for X」という無数のスタートアップが登場しましたが、大半が失敗しました。
Marc Andreessenはその理由を明確に指摘します。
"Ridesharing works because drivers are fungible. But for house cleaning, you want the same person."
「ライドシェアは運転手が代替可能だから成功しました。しかし家事代行は同じ人を求めます」
— Marc Andreessen, a16z共同創業者
ライドシェアは、一定のレーティング以上であれば誰でも良いサービスです。しかし、家の掃除を毎週違う人に頼むのは問題があります。
運転手は代替可能、家事代行は同じ人を求める
一般化されたプラットフォームモデルは、すべての業種に適用できるわけではありません。個別最適化が重要です。
Honor(高齢者ケア)の成功例
Marc Andreessenが投資する「Honor」は、高齢者向け在宅ケアで成功しています。
- 正社員雇用: UberやLyftのような**ギグワーカー(単発労働者)**ではなく、給与制の正社員
- 20次元マッチング: 高齢者とケアワーカーを20以上の変数でマッチング(体力、性格、スキルなど)
「Uber for X」の失敗を踏まえ、新しいモデルが生まれています。今後も数十〜数百の新しいモデルが登場するでしょう。
ベンチャーキャピタルの500年史
VCモデルは1600年代の捕鯨遠征に起源
"The modern venture model has historical precedents. One was the funding of whaling expeditions in the 1600s. The term 'carry' literally meant the percentage of whales the ship carried."
「現代のベンチャーモデルには歴史的先例があります。1600年代の捕鯨遠征の資金調達がその一つです。『キャリー』という用語は文字通り、船が運んだ鯨の割合を意味していました」
— Marc Andreessen, a16z共同創業者
ベンチャーキャピタルの起源は1600年代の捕鯨遠征の資金調達にあります。
- 高い失敗率: 3隻中2隻しか帰ってこない
- キャプテン選定: 誰が船長か、誰がクルーかが重要
- 戦略判断: 既知の漁場に行くか、未開拓の海に行くか
「Carry」は文字通り鯨の運搬分
VC業界で投資家が受け取る成功報酬(20-25%)を**「Carry(キャリード・インタレスト)」**と呼びますが、これは500年前の捕鯨遠征の分配制度に由来します。
30年後の「会社」の形態は未知
Marc Andreessenは、リスクマネー供給の本質は500年間不変だと考えています。しかし、投資対象である「会社」の形態は大きく変わる可能性があります。
- 物理的な場所があるのか、完全にバーチャルか
- 雇用関係があるのか、ブロックチェーンでインセンティブ設計されるのか
- C-Corporation形態なのか、新しい法人形態か
長期思考とポートフォリオリスク管理
重要な製品は10年以上かかる
Marc Andreessenは、シリコンバレーの重要な製品はすべて10年以上かかると指摘します。表面的には高速で動いているように見えますが、実際には非常に長期的です。
長期思考の難しさは不確実性との組み合わせ
"Long-term thinking is easy if you know the outcome. The problem is long-term thinking combined with uncertainty."
「長期思考は、結果が分かっていれば簡単です。問題は長期思考と不確実性の組み合わせです」
— Marc Andreessen, a16z共同創業者
10年間の旅をすることは簡単です。しかし、その旅が成功するかどうか分からない場合、判断が非常に難しくなります。
VCはポートフォリオ前提でリスクを扱える
ベンチャーキャピタルの強みは、ポートフォリオ思考が組み込まれていることです。
- 前提: 半分の投資先は失敗する
- 目標: 成功した投資先が失敗分を補って余りある
この前提により、個別案件の失敗を受け入れつつ、ポートフォリオ全体での成功を目指せます。
創業者やCEOは1つの会社に賭けているように見えますが、優れた企業は社内で複数の実験を並列・直列で実施し、リスクを分散しています。
経済成長の絶対的必要性
成長なしでは政治がゼロサム化する
Marc Andreessenは、経済成長が政治の健全性を保つために不可欠だと主張します。
"If you have high economic growth, you have positive-sum politics. If you have zero-sum or negative growth, politics rapidly becomes zero-sum."
「高速な経済成長があればポジティブサム政治になります。ゼロサム成長や負の成長があれば、政治は急激にゼロサム化します」
— Marc Andreessen, a16z共同創業者
不況後には、反移民・反貿易・反技術の風潮が強まります。成長がなければ、残された富の奪い合いしか残りません。
経済成長が解決する4つの課題
経済成長が解決する4つの課題- 右派の望む繁栄: 雇用創出、物質的豊かさ
- 健全な政治: ポジティブサムの対話、協力的な政策形成
- 左派の望む社会保障財源: 税収増による社会保障の拡充
- 環境保護: 効率化・**非物質化(デジタル化により物理資源が不要になること)**による資源消費削減
経済成長は、政治的立場に関わらず、すべての人に必要なものです。
米国は資源利用を削減しながら成長している
"In the US, we've found a way to grow economically while reducing the use of natural resources. This was a completely unexpected development."
「米国では経済成長しながら天然資源の使用を削減する方法を見つけました。これは完全に予想外の展開です」
— Marc Andreessen, a16z共同創業者
Andrew McAfeeの著書『More from Less』によれば、米国は経済成長しながらCO2排出と資源利用を削減しています。
デジタル技術により、物理的な資源を必要としないサービスが増加しています。CD、DVD、書籍、地図など、かつて「モノ」だったものが「ビット」に変換されています。
環境と成長は両立する
Andrew McAfee『More from Less』の洞察
グローバルではCO2排出と資源利用が増加していますが、米国は減少しています。経済が一定の発展段階に達すると、効率化と非物質化が進み、資源消費が減少に転じます。
デジタル化による非物質化
かつて物理的な製品だったもの(音楽、映画、書籍、地図、カメラ、電卓など)がスマートフォン1台に集約されています。これが非物質化の本質です。
米国の実証データ
環境問題の解決には、途上国を含む全世界が高度なデジタル経済に到達する必要があります。成長を止めるのではなく、加速させることが環境保護につながります。
300年続くシンギュラリティ
シンギュラリティは未来ではなく300年前に始まった
"When you read history, we're already in the singularity, and it started 300 years ago. Life was nasty, brutish, and short. Then 300 years ago, suddenly there was an inflection point."
「歴史を読むと分かりますが、私たちは既にシンギュラリティの中にいます。それは300年前に始まりました。人生は不快で野蛮で短かったのです。300年前に突然カーブの転換点が来ました」
— Marc Andreessen, a16z共同創業者
SF作家が語る**「シンギュラリティ(技術的特異点)」**は未来の出来事ではなく、既に300年前に起きたとMarc Andreessenは主張します。
乳児死亡率など全指標が5万年間フラット
人類史の5万年間、乳児死亡率や平均寿命などすべての福祉指標がフラットでした。トマス・ホッブズの言葉通り「人生は不快で、野蛮で、短かった」のです。
啓蒙主義・民主主義・市場・科学的方法・人権・言論の自由が同時発生
300年前(1700年代)に、以下が同時に発生しました。
- 啓蒙主義: 理性と合理性の重視
- 民主主義: 市民による統治
- 市場経済: 資本主義の台頭
- 科学的方法: 実証主義と再現性
- 人権: 個人の尊厳の認識
- 言論の自由: 表現と思想の自由
これらが相互に作用し、すべての福祉指標が急上昇しました。
人類史の大転換:300年前のシンギュラリティ「答えは既に分かっている」
"We don't need any new discoveries to make the future better. We already know how to do it. Double economic growth, double human rights, double markets and capitalism, double the scientific method."
「未来をより良くするために新しい発見は必要ありません。やり方は既に分かっています。経済成長を倍加し、人権を倍加し、市場と資本主義を倍加し、科学的方法を倍加すればいいのです」
— Marc Andreessen, a16z共同創業者
Marc Andreessenの楽観主義の根拠は明確です。過去300年間で機能したシステムを、さらに拡大すれば良いだけです。
新しい発見は不要です。既存のシステム(成長・人権・市場・科学)を倍加させることが答えです。
よくある質問(FAQ)
Q1. AIで全てのアプリが再構築されるとはどういう意味か?
AIをアーキテクチャとして捉える場合、既存の製品に機能を追加するのではなく、全てのアプリケーションとインフラを根本から再設計します。メインフレーム→PC→インターネット→クラウドに続く革命として、ビジネスソフトウェアの50年間のモデル(フォーム入力→データ保存→レポート)が不要になる可能性があります。
Q2. 経済成長なしで繁栄は可能か?
Marc Andreessenによれば、成長なしでは政治がゼロサム化し、反移民・反貿易・反技術の風潮が強まります。経済成長は(1)右派の望む繁栄、(2)健全な政治、(3)左派の望む社会保障財源、(4)環境保護すべてに必要です。成長がなければ、残された富の奪い合いしか残りません。
Q3. シンギュラリティは300年前に始まったとは?
乳児死亡率など全ての福祉指標が5万年間フラットだったのが、300年前に啓蒙主義・民主主義・市場・科学的方法・人権・言論の自由が同時発生し、すべてが急上昇しました。私たちは既に300年続くシンギュラリティの中にいます。SF的な「未来のシンギュラリティ」ではなく、既に起きている歴史的転換点の中にいるのです。
Q4. 「Uber for X」がうまくいかない理由は?
ライドシェアは運転手が代替可能だから成功しましたが、家事代行は同じ人を求めます。一般化されたプラットフォームモデルは、すべての業種に適用できるわけではありません。個別最適化が重要です。Honor(高齢者ケア)は正社員雇用と20次元マッチングで成功しました。
Q5. ムーアの法則は予言ではなく目標だったとは?
ゴードン・ムーア自身が、ムーアの法則は予言ではなく目標だったと述べています。何千、何万、何百万のエンジニアが実現に向けて働いた集団的努力の結果です。自然現象ではなく、意図的な目標設定とエンジニアリングによって達成されました。今後の技術進歩も同様に、明確な目標設定と集団的努力によって実現されます。
Q6. ベンチャーキャピタルの起源は捕鯨?
VCモデルは1600年代の捕鯨遠征の資金調達に起源を持ちます。「Carry」という用語は文字通り船が運んだ鯨の割合でした。500年前からリスクマネー供給の本質は不変です。高い失敗率、キャプテン選定の重要性、戦略判断など、現代のVCと同じ課題に直面していました。
Q7. 長期思考とポートフォリオ思考の違いは?
長期思考の難しさは不確実性との組み合わせです。10年後の成功が保証されていれば簡単ですが、失敗の可能性がある場合は判断が難しくなります。VCはポートフォリオ前提(半分は失敗)でリスクを扱えます。創業者もシーケンシャル/パラレル実験でリスク分散が可能です。
Q8. 米国は資源消費を減らしながら成長しているのか?
はい。Andrew McAfee『More from Less』によれば、米国は経済成長しながら天然資源の使用を削減しています。デジタル化による非物質化が鍵です。CD、DVD、書籍、地図などが「ビット」に変換され、物理的な資源消費が減少しています。経済が一定の発展段階に達すると、効率化と非物質化により資源消費が減少に転じます。
まとめ
主要ポイント
- AIはアーキテクチャ: 全てのアプリとインフラが再構築されます。メインフレーム→PC→インターネット→クラウドに続く革命です。
- 経済成長は不可欠: ゼロサム政治を避け、環境保護にも必要です。成長なしでは政治が極端化します。
- 答えは既にある: 啓蒙主義・民主主義・市場・科学的方法を倍加すればいいのです。新しい発見は不要です。
次のステップ
- AIアーキテクチャ移行の計画を立てる
- 長期思考とポートフォリオ思考を実践する
- 経済成長と環境保護の両立を目指す
関連記事
参考リソース
- 元動画 | Long Now Foundation
- Andrew McAfee『More from Less』
- Andreessen Horowitz (a16z)
- Wired
- Long Now Foundation
本記事はネクサフローのAI研究シリーズの一部です。AIアーキテクチャ設計についてのご相談はお問い合わせください。
この記事の著者

中村 知良
代表取締役
早稲田大学卒業後、ソフトバンク株式会社にてAI活用やCEO直下案件のプロジェクトマネージャーに従事。その後、不動産スタートアップPit in株式会社の創業、他スタートアップでの業務改善・データ活用を経験後、2023年10月、株式会社ネクサフローを創業し代表取締役CEO就任。
