1. はじめにあらゆる規模の会社で営業管理という業務は発生します。具体的には「今月の売上の着地は?」「今月受注予定の案件が何件あるのか?」「今月新しく作られた案件が何件あるのか?」「先月受注予定だったのに予定日を過ぎているものは?」など経営者、営業マネージャー、担当者それぞれの目線で案件を分析し、報告し、次のアクションへ繋げていくことが求められます。営業管理の手法の1つとして、エクセルやスプレッドシートを使っている方も多いと思います。数人、数十件の案件だとうまく管理できていたのに、いつの間には煩雑になっていることはありませんか?今回、エクセルやスプレッドシートの利用の適切な場面と、CRM(顧客関係管理)の必要性について考えてみましょう。営業管理において、どちらが適しているかを明確に理解します。エクセルやスプレッドシートは、個人の業務に適しています。特に小規模なビジネスや個人事業主にとって、データの記録や簡単な計算を行うのに便利です。しかし、チームでの営業活動が増えると、コミュニケーションの問題が浮上することがあります。ここでCRMの必要性が出てきます。2.営業管理の目的営業管理の目的は大きく現状把握、分析・予測の2つに分類することができます。現状把握事業、チームでの目標達成、未達を確認するため。個人別の達成、未達を確認するため。売上を因数分解した、単価、受注数、商談数、リード数などの達成、未達を確認するため。当月だけでなく、来月に向けた仕込みができているか確認するため。分析・予測今のままで事業計画やKPIが達成するのかどうか、達成しない場合どうするのかを意思決定するため今年・今月の目標が達成するかどうか、その確度、達成・未達の乖離度合を把握するため。売上の先行指標に当たる、商談数、リード数をもとに少し先の目標達成度度合いを考えるため。また現状把握や分析・予測の粒度は経営者、営業マネージャー、担当者でことないます。3. 営業管理にエクセルやスプレッドシートを使うのはなぜ?何を言っても簡単だからです。簡単というのは、すぐに起動できて、表形式に好きな文字を打ち込み、簡単に共有でき、また修正も容易で、グラフも簡単に作ることができます。ある程度のビジネススキルがある方であれば、新しく学習する必要もなく、現状把握、分析・予測の目的を果たすことができます。1人で営業活動が完結し、報告や共有も不要な場合は全く問題ないと思います。3. チームでの営業活動チームで営業活動を実施する場合、チーム内での連携、コミュニケーションが重要になりま、エクセルやスプレッドシートでの管理に限界が発生します。まずはどのようにして問題が発生するのか例を記載します。例エクセルやスプレッドシートのファイル数が増えて、どこに何があるか把握するのに時間がかかる。ファイル内のシート数が増えて、結局どれを見れば良いか不明。シート内のカラムが増えて、どれを見るべきかわからない。共同で使用しているため、誰がいつ編集したのか履歴を遡らないとわからない。多くの場合、履歴を上書き保存するため、推移を追うことができない。月毎にシートを分けているため、年度でまとめ直す必要がある、数字で管理するだけでなく、定性的な情報を管理する場合、補足が煩雑になる。(ネクストアクションとして1セルの中に大量の文字を打ち込むなど)上記のような使いづらさは営業に関する仕事をしたことがある方であれば経験したことがあると思います。しかし決められたルールやフォーマットがあるため、仕方なく使っているケースが多いでしょう。上記の問題の共通点は、連携・コミュニケーションのしづらさです。その問題を解決する1つの手段がCRMとなります。4. CRMの導入とメリットCRMは顧客情報を一元化し、営業チーム全体で共有できるため、コミュニケーションの改善と効率の向上が期待できます。また、顧客との関係を強化し、売上を増やす手助けをします。代表的なサービスはSalesforceやHubSpotですが、多くの企業がCRMサービスを提供しています。費用は完全無料のものから、1人当たり月額1-2万円まで幅広く存在し、利用目的に応じてベストなCRMが変わってきます。CRMの種類や選定については詳しい記事が存在するため、今回は割愛します。5. 営業管理の最適なアプローチ必ずしもエクセルやスプレッドシートを使うなということが言いたいわけではありません。例えば、エクセルやスプレッドシートでのデータ収集と基本的な作業を行い、CRMで顧客情報を管理し、営業活動の効果を最大化します。こうしたアプローチにより、データの整合性を維持しながら、チーム全体で連携することが可能となります。以下のような問いをクリアにし、チームで共通認識を持つことで、ただの営業管理ではなく、経営と現場を繋ぐコミュニケーションを円滑に進めることができます。どのような目的でデータを活用したいのか?そのデータはどこから取得してくるのか?データが生まれる場所はどこで、どのように入力されるのか?入力のしやすさは考慮されているか?活用されない無駄入力はないか?6. まとめエクセルやスプレッドシートでの営業管理は個人だと十分です。しかしチームで仕事をする場合、連携・コミュニケーションが重要になり、その場合はエクセル・スプレッドシートでは使いづらさが目立つ。そこでSalesforceやHubSpotなどのCRMを検討する場合が多いのですが、重要なことはデータ活用の目的、データの取得方法、入力方法、使いやすさです。営業活動は経営・事業の心臓です。営業チームが適切に機能し、生き生きと働くことができれば、高い目標数値を達成することができます。エクセルやスプレッドシートでの営業管理をしていて、困っている方がいらっしゃればお気軽にご相談ください。